彼氏がふたり
「相変わらず、汚いなー」
手は握られたまま、階段を上がって八巻の家に上がり込むと。1LDKの小さな部屋が目に入る。
中は布団が1組敷かれたまま、パジャマらしき服も脱ぎっぱ、ゲーム機や漫画が散らばっていて。端にあるローテーブルの上には勉強道具と雑誌がごっちゃになって広がっていた。
うわー、ごみ屋敷じゃん。ドン引きしながらも唯斗くんに引かれてローファーを脱ぎ捨てて部屋に足を踏み入れる。
「これどこ座ればいーのぉ……きゃっ、」
「花倉 美麻ちゃんだっけ?」
ドンッ、と突然 布団の上に押し倒されて唯斗くんが私の上に跨がるから。頭が真っ白になって、状況の理解に追い付かない。
えっと、名前ちゃんと覚えててくれたんだ。
う、嬉しいなー……て、あれ?
「男のアパートにさぁ、男2人と来るって意味分かってんのー?」
「え……、は?」
真上にはにっこりと目を細める唯斗くんがいて、両手首は彼の手によって押さえつけられている。
「美麻ちゃんって、細いねー。色も白いし凄《すっご》い可愛いよね。俺、タイプだよ?壮真じゃなくて俺と遊ぼうよ」
「……ッ、」
太股の間に唯斗くんの膝がぐっと挟まれて、スカートが少しだけ捲れ上がった。
「アイツくる前にさー、俺とヤっちゃお?」