彼氏がふたり



「すみませんが、18歳未満の方のレイトショーはお断りさせて頂いてます」


せっかく駅構内にある映画館まで足を運んだのに、入り口で止められてしまう。
映画館の店員が制服姿の私を止めたのだ。

それを見た少し前を歩く壮真が、フッと勝ち誇ったように口を開いた。



「じゃぁ、俺と唯斗で観るからバイバイ」

「はぁ?あんた達がバイト先に押し掛けてくるからでしょぉ?すみませーん、この2人も高校生なんでぇ」

「そうなんですね。じゃぁ、お2人も入場はお断りさせて頂きます」


道連れにするために馬鹿みたいに訴えれば、店員さんが淡々と唯斗くんと壮真を外に誘導する。



「おい、余計なこと言うな」

「私服だけど、この人17歳の高校2年生でーす。完全アウトでー……ふがっ」
「これから、夜ここに来れなくなるだろうが」


高校生だと言うことを暴露してやれば、大きな手が容赦なく私の口を塞ぐ。
ぐっ、力強いし。く、苦しい。



「は、はにゃひ(離して)……」


「ふはっ!お前ら何じゃれてんだよ!じゃー、なんか借りて壮真の家で観よっか?」

「「じゃれてないっ!」」


壮真と言い合って声が重なると、唯斗くんがさらに大きな笑い声を上げた。





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