彼氏がふたり
ブラのホックが外されて丸みのある大きな乳房が露になる。女の子のピンク色の声がヒートアップする中、スマホの着信が鳴り響いた。
「もしもーし」
唯斗くんのものだ。繋いでいた手がスッと離されて、彼がポケットからスマホを取り出した。相槌を打ちながら立ち上がり、「ちょっと、2人で観ててー」と部屋の外に出てくから、部屋に私と壮真が取り残される。
電話の相手は女の子だった。
スマホの画面にも"かなえちゃん"と表示されていたし、何より女の子の声がスマホから漏れて聞こえたから。
「壮真、唯斗くんと付き合ってるんでしょ?」
「……」
「隠さなくていーよ。この間、私の目の前でキスしてたじゃん」
溜め息を吐きながら「ありえなーい」と言葉を続ける。
そう。あの後、唯斗くんにキスをされそうになった時、壮真に止められた。あの時の壮真の表情ときたら、思い出しても笑っちゃうくらい必死だった。
「脅す気か?」
「はぁ?」
「俺を脅して唯斗を自分の支配下に入れる魂胆だろう?」
「私どんだけ信用ないのよ!?」
「1ミリも信用できない」
壮真が無愛想な表情を変えず言葉を言い放つから、全く信用されてないのだと苛々してくる。
「もうっ、私ね、お姉ちゃんがいたのよ」