彼氏がふたり
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「インスタ見たんだけど、凄いラブラブじゃーん!」
「まさか、遊び(フリ)じゃなくマジで八巻と付き合いはじめたのか?」
「実はね、壮真も悪くないなーってね。ちょっと無愛想なとこあるけど顔もそこそこ良いし、大人っぽいところもあるからぁ。本気でつき合ってあげる事にしたの」
利香と穂波が教室に響き渡るから、髪の毛を耳にかきあげてそう答える。
スマホの画面に写し出されるのは、私と壮真のホッペににちゅー写真。他にもスタバでフラペチーノのシェアや人形で隠してキス(のフリ)等。ラブラブカップルの写真をインスタに載せまくっている。
友達だけじゃない。全体公開しているから校内外問わず誰もが観覧できる。
利香が画面をながら「私も新しい彼氏欲しいなぁ」なんて羨ましそうに呟いてるけど、彼女にはお付き合いしてる彼氏がいます……。
「壮真、美麻ちゃーん。ご飯食べよー」
「ねぇ。私もお昼一緒にしていい??」
ここ数日は唯斗くんと壮真の3人で食べていた。
利香のお願いによって、皆でお昼ご飯を食べる事となり。穂波と合わせて5人で屋上の踊り場に腰を下ろして輪になった。
「わー、王子とご飯だ!同クラなのに離したこと殆どなかったもんね」
「食ってるもんは普通なのな~」
気持ちは分かるけど、2人ともテンション上がり過ぎだし。
「王子じゃないよ、俺だって普通の男子高生だからー」
唯斗くんが穏やかに笑って対応する。彼には自分が王子と言われている自覚があるのだろうな。