彼氏がふたり
3人で付き合うなんて、世間からしたらあり得ない。けど、唯斗くんも、もちろん私も納得した上での関係なのだからアリなのだと思う。どちらかというと、壮真が少し納得してないけど。
まぁ、唯斗くんと私は壮真がいるから成り立って、お互いに刺激を与え合う関係になっている。
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夏休みが終わっても、まだ残暑は続く。
学校の門をくぐったところで利香と穂波に声をかけられる。
2人とも休み中、時々、遊んだりしていたから久し振りでは無い。インスタでお互いの近況は把握してたし。
校舎に近付くと、少し前に壮真と唯斗くんの背中が視界に入るから前に駆け出した。
「壮真、唯斗くーん。おはよぉ」
2人の真ん中に入って、壮真の右腕と唯斗くんの左腕に自身の手を勢い良く絡める。
「あー、美麻ちゃんおはよー」
「……痛い」
ムスッとする壮真は朝が弱いらしい。前にそこも「可愛い」と言ったら唯斗くんに同調された。
案外、壮真を見る視点で唯斗くんと似てるのかな、と思う事も時々ある。
「へー、3人すっげ仲良くなったなー」
「インスタ見たよー!お化け屋敷行ってたよねぇ!よく3人で遊んでるの?」
「実はー、3人で付き合ってるんだ」
私のまさかの言葉に、穂波達の目が丸くなった。
「……は?それって浮気じゃねーのか?」
「あは、大丈夫だーいじょうぶ。二股とかじゃないから」
「ねー」
「……」
爽やかな王子スマイルの唯斗くんに、相変わらず無愛想な壮真。と、凄く美人で、モテて、いつも男の子に囲まれてる女王様に憧れていた私。
その3人の関係は──()。
──彼氏がふたり──