この『恋』の言い換えをするならば『瑕疵』(かし)です
「瑛茉、大西に告白されたでしょ」
次の日のんちゃんに聞かれた
昨日の今日で情報速すぎ
学校の掲示板とかに貼られてた?
まさかSNSで曝された?
「のんちゃん何で知ってるの?」
「大西に相談されてたから…」
「そーなんだ…」
大西、のんちゃんに相談してたんだ
のんちゃん私に教えてよ
友達じゃん
「瑛茉、他に好きな人いないなら
付き合ってみたらいいのに…
大西と仲良かったじゃん
お似合いだと思うけどな」
大西と私って
お似合いなんだ
それはありがと
大西は優しいし面白いし
ダンスしてるとカッコイイし
ダンスしてなくてもカッコイイけど
ダンスしか興味がないと思ってた
今度ダンスの世界大会に行くとか言ってたな
「んー…」
私と大西ね…
想像できない
気持ちが弾まない
ぜんぜんドキドキしない
「瑛茉ってさ
今まで何度か告白されたのに
全部ふってるじゃん
相当理想高いの?」
「理想…
んー…特にないけど…」
「じゃあ、なんで?
彼氏ほしいと思わないの?」
「彼氏…
彼氏ができたら何するの?」
「え!
瑛茉、質問が小学生低学年
今どき保育園児でもチューしたりしてるよ」
のんちゃんに呆れられた
「そ~言えば瑛茉って
好きな俳優とかアイドルもいないよね
もしかして男に興味ないの?」
「んー…」
推しとか特にいないけど
普通にカッコイイとかの判断はできてると思う
男に興味なくはない
「前に女の先輩のことかわいいとか
あの女優さんのこと綺麗だとか言ってたけど
瑛茉って、もしかして…」
言ったけど…
え!?
そーなのかな?
自分でもビックリ
「のんちゃん
ちょっと私の手握ってみて…」
「え!
私、ちゃんと男の子好きだからね!」
「うん、わかってる
お願い…握ってみて!」
のんちゃんが私の手を握った
のんちゃん…
上目遣いかわいい♡
のんちゃん…
「え…瑛茉…どーした?
ヤダ…私…
瑛茉とはずっと友達だからね!
それ以上でもそれ以下でもなく…」
「のんちゃん…」
「な、、なに…?」
「お腹空いた」
気持ちは弾まなかった
「もぉ!瑛茉
私がドキドキしたわー」
「のんちゃんチョコブラウニー食べる?
昨日お母さんが作ったの」
「ヤッター!」