この『恋』の言い換えをするならば『瑕疵』(かし)です
『恋』
「あと何がいるかな?」
「だいたい揃ってるけどね
生活してみて足りない物あったら
その都度買い足せばいいよ」
「んー…そーだね!」
私とお兄ちゃんは
お兄ちゃんの会社のマンションで生活してる
これは同棲と言ってもいいのかな?
お互い仕事が忙しくて
実家で暮らしてた時と特に変わらない
「あ、この花瓶いい色」
「うん、いいね」
「生活にお花があるといいよね
買っちゃおっか」
「うん
花も買って帰ろうか」
マグカップとかお箸とか
歯ブラシ、スリッパは一応色違いで揃えてある
今日はふたりの休みが合ったから
一緒に買い物に来た
私は嬉しくて仕方ないのに
お兄ちゃんはいつもと変わらない
私とお兄ちゃんて
なんで一緒に住むことになったんだっけ?
「オレ持つよ
瑛茉、転んで割りそうだし…」
お兄ちゃんが買った花瓶を持ってくれた
いつもの妹扱い
「転ばないよ!」
「じゃあ帰ろうか…」
デートみたいで楽しかったのに…
「ご飯食べて帰ろうよ!
お兄ちゃんもお腹空いたよね?」
「んー…冷蔵庫になんかなかった?
花瓶買ったし寄り道しないで帰ろう
あそこに花屋ある」
少し先にある花屋さんに寄った
お兄ちゃんは早く帰りたいの?
楽しくなかった?
デートとか思ってるの
私だけか…
「このお花がいいかな?
お兄ちゃんは?どれがいい?」
「いい匂いだね
さっきの花瓶に合うしそれにしよう」