この『恋』の言い換えをするならば『瑕疵』(かし)です
ずっと生じてた違和感
不具合
お兄ちゃんカッコイイねって言われるのが
昔から嫌だった
お兄ちゃんに彼女ができたら
いつも複雑な気持ちになってた
いつもお兄ちゃんのマネをして
ずっとお兄ちゃんと一緒
自分が1番お兄ちゃんの近くにいたかった
お兄ちゃんに好きって言われても
ぜんぜん嬉しくなかった
私のお兄ちゃんは
ちゃんとお兄ちゃんをしている
私は…
お兄ちゃんと目が合ったら
漸…て呼んだら
胸が変な音がした
それは私がお兄ちゃんの妹として欠陥品だから
お兄ちゃんが私のお兄ちゃんじゃヤダから
私はお兄ちゃんをお兄ちゃんと認めたくない
目の前のお兄ちゃんは
ひとりの男性として私には映ってる
大西に告白された時より
ずっと胸が高鳴った
「瑛茉、熱ある時って
変なこと考えたりするよ
さくらんぼ食べたらまた寝た方がいいよ」
変なこと
私の気持ち
お兄ちゃんに伝わった
「うん…そうする
お兄ちゃん」
お兄ちゃんは
やっぱりちゃんと私のお兄ちゃんだった