この『恋』の言い換えをするならば『瑕疵』(かし)です
『兄妹』
高校を卒業して
大学生になる
新しいアパートに引っ越す
独り暮らし
私とお兄ちゃんは
妹とお兄ちゃんのまま
「もぉ荷物全部まとめたの?」
「うん…」
「瑛茉、念願の独り暮らしじゃん」
私
独り暮らししたかったっけ?
独り暮らしじゃなくて
お兄ちゃんと住みたかったのかもしれない
「結構大学近くて
駅もすぐだし
お兄ちゃんのアパートよりぜんぜん広いし…」
「へー…良かったじゃん」
お兄ちゃんは来たいとも行くとも言わなかった
「カーテン何色にしようかな…」
「ひとりで大丈夫?」
「大丈夫だよ
お兄ちゃんだってひとりでやってたんでしょ」
「まぁ、なんとかね…
瑛茉、寂しくない?」
寂しく…なくない
「うん…大丈夫
お兄ちゃんには場所教えないから」
ホントは来てほしいのに強がった
「うん…教えなくていいよ
行っちゃうと悪いから…」
なに、それ?
来たくないんだ
ホントは寂しいよ
お兄ちゃん