この『恋』の言い換えをするならば『瑕疵』(かし)です
夏目先輩は何でもいいよって言ってくれた
「先輩、手…繋ぎたいです」
「いいよ」
「アレ?ふたりって付き合ってんの?」
「え、マジ?」
「そんな雰囲気ぜんぜんなかったじゃん」
「どっちから?」
うん
そんな雰囲気ぜんぜんなかった
夏目先輩はドライな人で
イチャイチャとかベタベタとか
想像できない人だった
物静かで余計な事は言わないけど
サークル内では中心的で
みんなに慕われてる人
私の彼氏になんか
なってくれると思わなかった
4年生で来春から就職が決まってた
お兄ちゃんと同じ年