この世界の中から君をー
海「手続きしてくるわ」
そう言って海斗さんは空港の奥へと進んで行った
翔「戻ってくるまでお土産コーナーでも見とこうか」
私たちは空港の中をグルグルと回った
数十分するとメールが来た
『手続き終わった。8番ゲートにいる』
り「神楽先生〜海斗さんゲートいるって!」
翔「じゃあ行こっか」
神楽先生の服の裾を掴んで前へと進む
海斗さんと合流して少し話したあと
翔「俺車で待ってるから海斗見送ったら戻ってきてね〜」
私と海斗さんの返事を聞かずに車に戻ってしまった
ぽかんとする私を他所に海斗さんは平然としている
海「ちょっと来て」
そう言われて歩き始めた海斗さんは
まだ体力がない私に合わせてゆっくり歩いてくれる
着いたのは飛行機が飛び立つのが見える屋上。
平日の昼間で見送りしている人はいなくて
ただ晴れた空間に冷たい風が吹いていた
海「ずっと言いたかったことがあるんだ…」
その言葉に吸い込まれるように息を呑んだ