廻った世界で,また君と恋を紡ぐ。
「いや,そんな私のためみたいな……デートでもしてきなよ,3年なったら出来ても一緒に勉強くらいなんじゃないの? 出れる時に出ておかなきゃ」
「いーのいーの。向こうもただで遊べるゲーセンだと思えば,それもそれでしょ」
「……お姉ちゃん,あの人と結婚するの?」
「はぁ?!!」
や,そこまで顔歪めるのもどうなの?
彼氏……なんだよね???
「だって2人で過ごせばいいのに,すっごく私に推してくるから。今のうちに的な意図があるのかと思って……」
「あのねぇ,私は紅葉が愛だの恋だの憧れたりやたらと心配したりするから,連れてきたの。私は……………………。一緒にいれたらなんでもいいの」
尻しぼみになる言葉,逸らされた目線。
どこか嘘臭い笑顔で,お姉ちゃんは私を見た。
「お姉ちゃん,馴れ初め……聞いてもいい?」
実は,遊んでる最中。
2人が自然にお菓子を半分に分けたのを見て,きゅんきゅんしてしまっていたのだった。
ポッキーンのパッケージをお姉ちゃんが開けて,その音に反応しただけのあの人に……
お姉ちゃんは何も言わずノールックで袋を1つ手渡していた。
あの人も
『サンキュー』
だけでそれ以降一切の反応無し。
流れが完璧すぎて,私は2度見もしたの……