廻った世界で,また君と恋を紡ぐ。
「あ」
「なに?」
「お姉ちゃんの彼氏,名前なんていうの?」
「ああ。……高峯 千草」
たかみねちくさ,まんまりみない,綺麗な名前。
葉っぱと草で。
なんだ,名前の相性もバッチ……
「今なんか失礼なこと考えた?」
「……ううん。名前,私が先に生まれてたらくれはとかで,もみじはお姉ちゃんの方だったんじゃないかなって,考えてただけ」
もしくは,くれはといろはの可能性とか。
それだと連想させるだけさせといて,ってなっちゃうのかな。
くれは,なんて特に,しょっちゅう読み間違えられそう……
もみじも気に入ってるから,そんなのどっちでもいいんだけどね。
お姉ちゃんは,植物ももみじも怒らないのに,葉っぱって言うと雑草みたいで嫌って言うから。
だから私は,適当な話ではははと誤魔化した。
「で,馴れ初めは? 馴れ初めは?!!?」
彼氏とか好きな人とか,そんな予兆一切なかったのに。
いつから仲良しなんだろうって,私はお姉ちゃんに迫る。