廻った世界で,また君と恋を紡ぐ。
そんな連絡貰ってないと思いながらも,声をあげてしまった手前。

1人引っ込むことも出来ずに,挨拶だけと私は玄関に向かった。



「あの……こんにちわ? ごゆっくり,どうぞ」



どきまぎと声をかける。

見上げると,背の高いスタイルのいい男子が居た。

鼻も高く,髪型は見るからに無造作なのに,とてもよく似合っていて。

色々得な人,と勝手に印象付ける私。

相手は私が下から行き過ぎたためか,少しの間無表情で黙って私を見ていた。

中身,思ったより暗め? 困らせちゃった?

目の前で,人より大きそうな喉仏が動く。



「……よお,妹」



あなたの妹じゃないですけど。

思わずそう反発してしまいそうだった。

同級生じゃないにしろ,何だかすごく年下扱いを受けたようで。

なのに相手は何とも思っていないような澄ました顔をしているから。

私が代わりに眉を寄せてしまった。
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