廻った世界で,また君と恋を紡ぐ。



「もうやだ2人とも,面白い顔しないでよ~!!!」



石のように固まった私と微動だにしないその人の間にある空気を破ったのは,わが姉椛。

いつもの笑顔で颯爽と間に手をいれる。



「この人,私の彼氏。よろしく」



お姉ちゃんが連れ帰ったのは,かれ,かれ……彼氏と言う存在だった。

この人が……?

私はあまりの驚きに言葉を失くし,無遠慮にその人を見た。



「同じ学年同じクラス,身長はなんと175!」

「か,彼氏……? 出来たの? ……よかったね」



私は仰天しつつも,つんのめった声で良かったねと言う。

こくこくと何度か飲み込んで,ようやく



「ずっと好きな人なんていないって言ってたのに……!!!」



事態の楽しさと重大さを理解した。



「う……えーー。あーね,うん。ほら,あれだよあれ。口癖かって言うくらい,紅葉うるさく言ってきたじゃない。素直なお姉ちゃんはそれを実行したのです」



口癖……? うるさく?



「……ああ!!」



そうだった。

うざがられるのは分かってても,つい後悔ばかりが尾を引いて。

待ってるだけじゃだめ。

好きなら好きと,早く伝えなくちゃ。

そう何度も聞いて貰ってきたんだった。

ってことは。
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