廻った世界で,また君と恋を紡ぐ。



「お姉ちゃんからなの?!!! すごいっ」



告白を選んだことのない私には分かる。

そんな勇気,お姉ちゃんじゃなきゃ持てない。



「あーうん,そうそう」



恥ずかしいのかな。

お姉ちゃん,自慢したり照れたり,もっと分かりやすい反応くれるかと思ったのに。

恋ばなも日常的に仲良くしてきたのに,もしかして私,あしらわれた???



「じゃあほら,紅葉も一緒に遊ぼ。折角連れてきたんだから」

「えっどうして,嫌だよ私。彼氏さん知らないもん。2人がいいよ,そうに決まってる。ね?!」

「や,俺は……」

「ねぇ断らないよね? 彼女だもんね? っていうか……のつもりがなくても……状況……気まずい……ょ?」

「ほら妹,遊ぶぞ。ねぇちゃんの言うこと聞いとけ」

「なーーーー」



そして何故か2人に挟まれる事になった私。

30分後のゲーム中。

プレイするのは不朽の名作,マズオカート,12で。

今世に生まれて16年,新しいゲーム機にはとうに慣れている。

ふふんと澄ました顔のまま進めれば……

あれれ,状況が悪くなっていく。

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