廻った世界で,また君と恋を紡ぐ。
「えっちょ……! 青甲羅確定だからって下がってこな……っあぁ!!!」
「……」
「もう今度はなに……ってそこショートカットのとこ!!! 入り損ねた~!!!」
「ねぇそこ楽しそうなのは何よりなんだけど,何仲良くなってんの? お陰で私はずっとドンケツなんだけど~」
「ねーえ! 敵のアイテム見て下がるのずるい! 敵を味方にしちゃいけないの! そういうねちっこいのだめって何度も……」
「紅葉?」
「な,なんでも……」
違う,それは別の人。
久しぶりに年の近い男子と遊んだからって,何を口走ってるの私。
記憶の数だって,そんなにないくせに。
幸いにも,お姉ちゃんは不自然に言葉を止めた私を気にしただけで。
お姉ちゃんの彼氏とやらは
「あっねぇ蓄えてる!!!」
黙々とコントローラーを動かし,こっそりアイテムを拾っていた。
「ずるいよ!!! 多分!」
「ははっ……うるせぇっ。弱いのがわりぃんだよ,文句言うなチビ」
「ちっチビじゃない!!!」