黄昏色の街で
思えば今日は金曜日。 明日は休みだ。
(それで飲もうって言ったのか。) 飲みながら気が付くおじさんである。
焼き鳥が運ばれてきた。 塩だれがお勧めらしい。
「うわー、美味しそう。」 頓狂な大声で佳代子ははしゃいでいる。
私も砂肝やレバーを美味そうに食べている。 (これは美味いなあ。)
「そうでしょう? 口コミで聞いたんですよ この店。) 「私も初めてだよ。」
「いろんなお店で飲んでるんじゃないんですか?」 「若い頃は誘われて行ったけどね。」
客が増えてきた。 ここはどうやら二次会の客が多いようだ。
テーブル席もいっぱいである。 人気が有るんだなあ。
カウンターの向こう側には焼き台が三つほど並んでいて、それぞれに親父さんが目を配りながら焼いている。 七輪で焼いているのとは訳が違うようだ。
私もサンマくらいなら焼くけれど、焼き鳥なんて無理そうだな。
2時間ほど居たのだが、満腹だし少し歩こうかって二人で話して出てきた。
夜の街を歩くのは久しぶりだ。 酔ってもいるし、風が気持ちいい。
佳代子も何だか無口になって隣を歩いている。 時々体がくっ付くのだが、そのたびにホワッと暖かい物を感じる。
私は酔いに任せて佳代子を抱き寄せていた。 (このまま連れて帰りたいな。)
そう思っていると佳代子がポツリと言った。 「朝まで一緒に居たい。」
私は何も考えずに走ってきたタクシーを捕まえて家まで乗ることにした。 もちろん隣には佳代子が居る。
半分寝ているような佳代子を見詰めながら頭の中では二人の自分が喧嘩していたのに気付いた。
「いいじゃないか。 このまんま抱いてしまって嫁さんにしちまえよ。」 「それはいかん。 役職も有るんだし、佳代子がいいって言うまでは手を出すんじゃないぞ。」
複雑な顔をしている私に気付いたのか、運転手も無口である。 20分ほどして家の前に着いたのだが、、、。
タクシーから降りた佳代子は完全に夢の中を旅している。 地に足の付いていない佳代子をしっかりと抱き留めてから家の中へ入る。
さっきから私は緊張しっぱなしなのである。 若い娘と飲んだのも初めてなら、こうして家に連れ帰ったのも初めてなのだから。
上り口に何とか座らせた佳代子の靴を脱がす。 その途中、スカートが捲れたのにもドキバクしている。
(肌色のストッキングを履いてたんだね。) なぜか新しい発見をしたような気になる。
それでまたまた佳代子を抱き上げて寝室へ、、、。 とはいっても布団は一組しか無い。
一度、部屋の隅に座らせてから布団を敷き、佳代子を寝かせる。 そのまま私も隣で寝ることにした。
とは言うけれど、なんだか落ち着かない。 佳代子の寝顔を間近に見てしまったから奪いたくなっている。
それを必死に我慢しながら腕枕をして、、、。 気付いたら佳代子は私の腕の中に居た。
佳代子の吐息を熱く胸元に感じながら私も夢の中へ落ちていったのである。
(それで飲もうって言ったのか。) 飲みながら気が付くおじさんである。
焼き鳥が運ばれてきた。 塩だれがお勧めらしい。
「うわー、美味しそう。」 頓狂な大声で佳代子ははしゃいでいる。
私も砂肝やレバーを美味そうに食べている。 (これは美味いなあ。)
「そうでしょう? 口コミで聞いたんですよ この店。) 「私も初めてだよ。」
「いろんなお店で飲んでるんじゃないんですか?」 「若い頃は誘われて行ったけどね。」
客が増えてきた。 ここはどうやら二次会の客が多いようだ。
テーブル席もいっぱいである。 人気が有るんだなあ。
カウンターの向こう側には焼き台が三つほど並んでいて、それぞれに親父さんが目を配りながら焼いている。 七輪で焼いているのとは訳が違うようだ。
私もサンマくらいなら焼くけれど、焼き鳥なんて無理そうだな。
2時間ほど居たのだが、満腹だし少し歩こうかって二人で話して出てきた。
夜の街を歩くのは久しぶりだ。 酔ってもいるし、風が気持ちいい。
佳代子も何だか無口になって隣を歩いている。 時々体がくっ付くのだが、そのたびにホワッと暖かい物を感じる。
私は酔いに任せて佳代子を抱き寄せていた。 (このまま連れて帰りたいな。)
そう思っていると佳代子がポツリと言った。 「朝まで一緒に居たい。」
私は何も考えずに走ってきたタクシーを捕まえて家まで乗ることにした。 もちろん隣には佳代子が居る。
半分寝ているような佳代子を見詰めながら頭の中では二人の自分が喧嘩していたのに気付いた。
「いいじゃないか。 このまんま抱いてしまって嫁さんにしちまえよ。」 「それはいかん。 役職も有るんだし、佳代子がいいって言うまでは手を出すんじゃないぞ。」
複雑な顔をしている私に気付いたのか、運転手も無口である。 20分ほどして家の前に着いたのだが、、、。
タクシーから降りた佳代子は完全に夢の中を旅している。 地に足の付いていない佳代子をしっかりと抱き留めてから家の中へ入る。
さっきから私は緊張しっぱなしなのである。 若い娘と飲んだのも初めてなら、こうして家に連れ帰ったのも初めてなのだから。
上り口に何とか座らせた佳代子の靴を脱がす。 その途中、スカートが捲れたのにもドキバクしている。
(肌色のストッキングを履いてたんだね。) なぜか新しい発見をしたような気になる。
それでまたまた佳代子を抱き上げて寝室へ、、、。 とはいっても布団は一組しか無い。
一度、部屋の隅に座らせてから布団を敷き、佳代子を寝かせる。 そのまま私も隣で寝ることにした。
とは言うけれど、なんだか落ち着かない。 佳代子の寝顔を間近に見てしまったから奪いたくなっている。
それを必死に我慢しながら腕枕をして、、、。 気付いたら佳代子は私の腕の中に居た。
佳代子の吐息を熱く胸元に感じながら私も夢の中へ落ちていったのである。