あなたの霊を守ります 霊キャプター宮城の一日
東京で発見された当時、確かに宮城はスプリンターフラッシュに乗っていた。 だが、それを発見した警察官がドアを開けた瞬間に砕け散ったのである。
宮城は意識も無くて死んでいるのではないかと思われたが、集中治療室での治療の結果、ようやく意識を取り戻したのだ。
とはいえ、急なことだったから川嶋も最初は面会を拒絶されていた。 許可が出るまでに数時間、彼はロビーで待ちぼうけを食らったわけだ。
その宮城が鹿児島に帰ってきた。 そしてスプリンターフラッシュ02の試運転をしている。
渚はその様子を見ようとコースに出て行った。
「こちら宮城。 02の調子は絶好調。 スピードは今の所180キロ。) 「調子に乗るなよ 宮城。)
「分かってるよ。 今度はヘマしないで戻ってみせるよ。) (何も無ければいいけどな、、、。)
渚はやっぱり何かを心配しているようだ。 でもそれが何なのか、彼女自身にも分かっていないらしい。
スプリンターフラッシュ02は第一カーブを無事にやり過ごして大きなヘアピンカーブに差し掛かる所である。 監視ヘリも途中から彼を追い掛け始めた。
「あと3分でヘアピンに掛かります。 今のスピードは250キロ。 順調なようですね。) 「本当か?」
「ええ。 ここまではまったく異常は見当たりません。」 「もうすぐあの絶壁だな。 警戒はいいか?」
「万端です。 いつ来てもチェックできます。) 「手抜かりの無いようにな。」
川嶋はそれでも気が気ではない。 車を飛ばして絶壁へ急行した。
その頃、ニューヨークでは、、、。 「キャシー、準備はいいか?」
「万端です。 もうすぐ宮城茂がチェックポイントに差し掛かります。」 「よし。 やってくれ。」
キャシーと呼ばれた女が念導力を込める。 すると、、、。
「おかしい。 またスプリンターフラッシュが消えました。」 「何だって? また消えた?」
ヘリの報告だと前回と同じく絶壁の前で絶壁に突進するような形で車ごと消えてしまったというのである。
「信じられん。 二度も同じ場所で同じように車ごと消えるなんて、、、。」 笹尾は勿怪に憑りつかれたような顔で呆然としている。
川嶋も何が何だか分からない顔で事務所に戻ってきた。 「これは俺たちの仕事じゃない。 俺たちでは無理だ。」
「とは言うけど、警備隊がそれじゃあどうするんですか?」 「とはいうけどね、二回も同じ車が消えたんだよ。 超常現象が起きたとしか思えないよ これじゃあ。」
「まったくだ。 今度は何処に行っちまったんだ?」 渚もコースから帰ってきた。
「おー、吉田さん 何か手掛かりは掴めたかい?」 「何も。」
「そうか。 弱ったなあ。 これじゃあ騒ぎが大きくなるぞ。」
誰もが宮城の失踪を信じられないでいる。 でも渚は、、、。
宮城茂が消える瞬間に彼女には何かが見えたような気がした。 でもそれが何なのか、彼女には分からない。
(あの雷のようなスパークは何なんだろう?) その疑問はこれからずっと渚を苦しめることになる。
超常現象七日、それとも誰かが意図的に狙っているのか? それすらも分からない。
考えているうちに渚は高熱を出して寝込んでしまった。
「おいおい、吉田さんまでがこうなるってどういうことだよ?」 「そんなこと、俺に言われても分かるかってんだ。 だいたいなあ、スプリンターフラッシュが何で鹿児島から東京にまで飛んでくんだよ? 有り得ないだろう?」
「岩下君、事実は事実なんだ。 起こっていることを受け止めるしか無いんだよ。」 「それは分かるけど、今の時代に呪いとかテレポーテーションと買って信じられると思うか?」
「でもなあ、実際に起こっているんだ。 信じるしかないよ。」 誰もが宮城の失踪を信じられないでいる。
そんな時に渚が寝込んでしまったものだから事態はより一層深刻になってきた。
「笹尾さんが宮城茂を殺したんじゃないんですか?」 「何で私が彼を殺すんですか?」
「だったら消えた理由を教えてくださいよ。」 マスコミの追及は日に日に激しくなっていく。
そんなある日、事務員が不可解な紙を持って笹尾の部屋にやってきた。 「これを見てください。」
「何だよ、、、忙しいんだから後にしてくれ。」 「いえ。 これも重大な問題です。」
事務員は引き下がろうとはしない。 チーフマネージャーの門田健一がその紙を受け取った。
「何だね?」 「メールのコピーのようですね。」
「メールだって?」 笹尾は顔色を変えてその紙を見た。
『山 呪い 室町。』
ただそれだけの紙である。 「いたずらじゃないのか?」
「そうは思えません。 これはどう見てもパソコンで打ち出された物ですよ。」 「それにしては送り主も宛先も無いじゃないか。」
「それを除けば、、、。」 言い掛けた門田はもう一度紙に目を落とした。
その頃、宮城茂はというと、、、。 「ここは何処なんだ?」
何処とも知れぬビルの一室に居ることは分かったのだがそれが何なのか、なぜ自分がここに居るのか理解できないでいた。
部屋のドアが開き、ベレー帽をかぶった男が入ってきた。 「オー、宮城。 無事に来てくれたか。)
「ここは何処なんです?」 「君が驚くのも無理は無い。 ここはニューヨークだよ。」
「ニューヨーク?」 「そう。 君はテレポートによって日本からニューヨークへやってきたのだ。」
「なぜ? 何のために俺が?」 「戸惑うのも無理無いことだ。 君はまだ霊キャプターのことを知らないのだからね。』
「霊キャプター?」 「そうだ。 私が見た所では君は最強の霊キャプターなんだよ。』
「さっぱり分からない。 早く日本へ帰してくれ。」 「まあまあ慌てなさんな。 じっくりと話を聞いてからでも遅くはないんだから。」
「アーシー、宮城は?」 そこへ女が入ってきた。
「キャシー、君の力は大きいねえ。 無事に宮城を呼び寄せることが出来たよ。」 キャシーと呼ばれた女は宮城を見詰めた。
アーシーと呼ばれた男は口笛を吹いた。 すると3人の男が部屋に入ってきた。
「宮城君 君にこの人たちを紹介しよう。 キャシーアンドリア、ジョー フラミング、ケント パーカースだ。 よろしく頼んだよ。」
「よろしくって言われても何が何だか、、、。」 「いいだろう。 一つずつ説明するよ。」
アーシーは日本地図を広げた。 「君は以前にここから東京へ飛ばされているね?」
「、、、確かに。」 「それは何故だと思う?」
「さっぱり解りません。」 「それはね、黒武という念導力を操る団体が仕掛けた罠なんだよ。」
「黒武?」 「こいつは北京に活動拠点を持っている。 長い間、その力は封印されていたんだが何かの拍子で解けてしまった。」
「それがために全世界であなたと似たような現象が起き続けてるんです。」 「対策は?」
「軍まで動かした国も在るんだが念導力はそんな物では抑えられない。」 「それで今では手を打てなくなっているんです。」
「じゃあ俺たちだって、、、。」 「我々 霊キャプターは黒武には仇敵なんだ。 黒武が正体を現す時、必ず最強の霊キャプターが現れると記されている。」
「それが俺ってことですか?」 「そうなんだよ。 宮城君。」
「しかし俺には、、、。」 「大丈夫。 いざとなればその力が目を覚ます。」
宮城が困惑しているとジョーという男が進み寄ってきた。 「ボス、俺たちも力を合わせます。 ぜひ力を貸してください。」
「分かった。 そこまで言うなら、、、。。」 「あ、また念導力が働いてるわ。 気を付けて。」
キャシーが警告する。 宮城は不意に目を閉じた。
「これはひどい。 みんなも気を付けろ!」 「スクラムを組むんだ!」
ケントも目を閉じている。 その顔が歪んできた。
宮城は意識も無くて死んでいるのではないかと思われたが、集中治療室での治療の結果、ようやく意識を取り戻したのだ。
とはいえ、急なことだったから川嶋も最初は面会を拒絶されていた。 許可が出るまでに数時間、彼はロビーで待ちぼうけを食らったわけだ。
その宮城が鹿児島に帰ってきた。 そしてスプリンターフラッシュ02の試運転をしている。
渚はその様子を見ようとコースに出て行った。
「こちら宮城。 02の調子は絶好調。 スピードは今の所180キロ。) 「調子に乗るなよ 宮城。)
「分かってるよ。 今度はヘマしないで戻ってみせるよ。) (何も無ければいいけどな、、、。)
渚はやっぱり何かを心配しているようだ。 でもそれが何なのか、彼女自身にも分かっていないらしい。
スプリンターフラッシュ02は第一カーブを無事にやり過ごして大きなヘアピンカーブに差し掛かる所である。 監視ヘリも途中から彼を追い掛け始めた。
「あと3分でヘアピンに掛かります。 今のスピードは250キロ。 順調なようですね。) 「本当か?」
「ええ。 ここまではまったく異常は見当たりません。」 「もうすぐあの絶壁だな。 警戒はいいか?」
「万端です。 いつ来てもチェックできます。) 「手抜かりの無いようにな。」
川嶋はそれでも気が気ではない。 車を飛ばして絶壁へ急行した。
その頃、ニューヨークでは、、、。 「キャシー、準備はいいか?」
「万端です。 もうすぐ宮城茂がチェックポイントに差し掛かります。」 「よし。 やってくれ。」
キャシーと呼ばれた女が念導力を込める。 すると、、、。
「おかしい。 またスプリンターフラッシュが消えました。」 「何だって? また消えた?」
ヘリの報告だと前回と同じく絶壁の前で絶壁に突進するような形で車ごと消えてしまったというのである。
「信じられん。 二度も同じ場所で同じように車ごと消えるなんて、、、。」 笹尾は勿怪に憑りつかれたような顔で呆然としている。
川嶋も何が何だか分からない顔で事務所に戻ってきた。 「これは俺たちの仕事じゃない。 俺たちでは無理だ。」
「とは言うけど、警備隊がそれじゃあどうするんですか?」 「とはいうけどね、二回も同じ車が消えたんだよ。 超常現象が起きたとしか思えないよ これじゃあ。」
「まったくだ。 今度は何処に行っちまったんだ?」 渚もコースから帰ってきた。
「おー、吉田さん 何か手掛かりは掴めたかい?」 「何も。」
「そうか。 弱ったなあ。 これじゃあ騒ぎが大きくなるぞ。」
誰もが宮城の失踪を信じられないでいる。 でも渚は、、、。
宮城茂が消える瞬間に彼女には何かが見えたような気がした。 でもそれが何なのか、彼女には分からない。
(あの雷のようなスパークは何なんだろう?) その疑問はこれからずっと渚を苦しめることになる。
超常現象七日、それとも誰かが意図的に狙っているのか? それすらも分からない。
考えているうちに渚は高熱を出して寝込んでしまった。
「おいおい、吉田さんまでがこうなるってどういうことだよ?」 「そんなこと、俺に言われても分かるかってんだ。 だいたいなあ、スプリンターフラッシュが何で鹿児島から東京にまで飛んでくんだよ? 有り得ないだろう?」
「岩下君、事実は事実なんだ。 起こっていることを受け止めるしか無いんだよ。」 「それは分かるけど、今の時代に呪いとかテレポーテーションと買って信じられると思うか?」
「でもなあ、実際に起こっているんだ。 信じるしかないよ。」 誰もが宮城の失踪を信じられないでいる。
そんな時に渚が寝込んでしまったものだから事態はより一層深刻になってきた。
「笹尾さんが宮城茂を殺したんじゃないんですか?」 「何で私が彼を殺すんですか?」
「だったら消えた理由を教えてくださいよ。」 マスコミの追及は日に日に激しくなっていく。
そんなある日、事務員が不可解な紙を持って笹尾の部屋にやってきた。 「これを見てください。」
「何だよ、、、忙しいんだから後にしてくれ。」 「いえ。 これも重大な問題です。」
事務員は引き下がろうとはしない。 チーフマネージャーの門田健一がその紙を受け取った。
「何だね?」 「メールのコピーのようですね。」
「メールだって?」 笹尾は顔色を変えてその紙を見た。
『山 呪い 室町。』
ただそれだけの紙である。 「いたずらじゃないのか?」
「そうは思えません。 これはどう見てもパソコンで打ち出された物ですよ。」 「それにしては送り主も宛先も無いじゃないか。」
「それを除けば、、、。」 言い掛けた門田はもう一度紙に目を落とした。
その頃、宮城茂はというと、、、。 「ここは何処なんだ?」
何処とも知れぬビルの一室に居ることは分かったのだがそれが何なのか、なぜ自分がここに居るのか理解できないでいた。
部屋のドアが開き、ベレー帽をかぶった男が入ってきた。 「オー、宮城。 無事に来てくれたか。)
「ここは何処なんです?」 「君が驚くのも無理は無い。 ここはニューヨークだよ。」
「ニューヨーク?」 「そう。 君はテレポートによって日本からニューヨークへやってきたのだ。」
「なぜ? 何のために俺が?」 「戸惑うのも無理無いことだ。 君はまだ霊キャプターのことを知らないのだからね。』
「霊キャプター?」 「そうだ。 私が見た所では君は最強の霊キャプターなんだよ。』
「さっぱり分からない。 早く日本へ帰してくれ。」 「まあまあ慌てなさんな。 じっくりと話を聞いてからでも遅くはないんだから。」
「アーシー、宮城は?」 そこへ女が入ってきた。
「キャシー、君の力は大きいねえ。 無事に宮城を呼び寄せることが出来たよ。」 キャシーと呼ばれた女は宮城を見詰めた。
アーシーと呼ばれた男は口笛を吹いた。 すると3人の男が部屋に入ってきた。
「宮城君 君にこの人たちを紹介しよう。 キャシーアンドリア、ジョー フラミング、ケント パーカースだ。 よろしく頼んだよ。」
「よろしくって言われても何が何だか、、、。」 「いいだろう。 一つずつ説明するよ。」
アーシーは日本地図を広げた。 「君は以前にここから東京へ飛ばされているね?」
「、、、確かに。」 「それは何故だと思う?」
「さっぱり解りません。」 「それはね、黒武という念導力を操る団体が仕掛けた罠なんだよ。」
「黒武?」 「こいつは北京に活動拠点を持っている。 長い間、その力は封印されていたんだが何かの拍子で解けてしまった。」
「それがために全世界であなたと似たような現象が起き続けてるんです。」 「対策は?」
「軍まで動かした国も在るんだが念導力はそんな物では抑えられない。」 「それで今では手を打てなくなっているんです。」
「じゃあ俺たちだって、、、。」 「我々 霊キャプターは黒武には仇敵なんだ。 黒武が正体を現す時、必ず最強の霊キャプターが現れると記されている。」
「それが俺ってことですか?」 「そうなんだよ。 宮城君。」
「しかし俺には、、、。」 「大丈夫。 いざとなればその力が目を覚ます。」
宮城が困惑しているとジョーという男が進み寄ってきた。 「ボス、俺たちも力を合わせます。 ぜひ力を貸してください。」
「分かった。 そこまで言うなら、、、。。」 「あ、また念導力が働いてるわ。 気を付けて。」
キャシーが警告する。 宮城は不意に目を閉じた。
「これはひどい。 みんなも気を付けろ!」 「スクラムを組むんだ!」
ケントも目を閉じている。 その顔が歪んできた。