孤独だった君に、僕の全身全霊の愛を…
出逢い
ホテル最上階の夜景の綺麗なレストラン。
個室のカップルシート。
美味しいコース料理。
心地よい音楽。
並んで座っている北三条 真絋と片浜 瑛茉は、今交際中だ。
真絋が小さな箱を、瑛茉に差し出し言った。
「━━━━瑛茉、結婚しよう!」
━━━━━━━━
━━━━━━…………
一流企業の社員で、イケメン。
優しく、穏やかで仕事も完璧にこなす頼れる紳士。
いわゆるスパダリ、真絋。
一方の瑛茉は、幼い頃に遭った事故で左目を負傷し、視力を失い深い傷を負っている。
そのため瑛茉は、左目を前髪で覆い隠している。
真絋と違って、ごくごく普通の瑛茉。
何が優れているでもない。
左目のコンプレックスで、控え目に目立たないように生きてきた。
なので瑛茉は、真絋との交際に引け目を感じていた。
そんな二人。
何の接点もないようだが、瑛茉は真絋の勤める会社の清掃員の仕事をしていた。
二人はそこで出逢った。
真絋が勤めている会社は清掃を社員の退社後に行っていて、瑛茉は夕方から夜にかけて清掃をしていた。
瑛茉がこの仕事を選んだのは、仕事が夜で同僚清掃員以外、誰にも会わずに済むから。
(昼の掃除もあるが、瑛茉は事情を話して夕方だけにしてもらっている)
基本的には、一人で黙々と仕事できるからだ。
前髪で隠してるとはいっても、いつどんなタイミングで前髪の下を見られるかわからない。
だから、できる限り人と接触しない仕事をしている。
二人が出逢ったのは、一年程前。
その日真絋は、一人で残業をしていた。
同僚で友人の鳥井 時康に、書類作成を頼まれたからだ。
『彼女と約束してんだよ!
飯、何でも奢るから!』
そう言われ、黙々と作業をしていた。
「ん?間違っ…て…る?
え……ちょっと待って。
最初から入力し直しじゃん!
………はぁ…ご飯奢りだけじゃ、わりに合わないな……これ…(笑)」
それからも、黙々と作業する。
「━━━━━━
━━━━終わったぁー!!」
おもいきり、伸びをする。
そこに、遠慮がちに「すみません」と声をかけられた。
「ん?誰?」
「あ、私。
清掃の……」
そこに現れたのが、瑛茉だった。
左側の前髪に触れながら、話す瑛茉。
「あー、掃除か!」
「は、はい。
すみません、いいですか?」
「もちろん!どうぞ?」
「すみません」
ゴミを集めたり、掃除機をかけたりする。
そして、デスクの上をさりげなく整える。
なんとなく瑛茉をジッと見ていた真絋。
瑛茉に声をかけた。
「……………君だったんだぁ」
個室のカップルシート。
美味しいコース料理。
心地よい音楽。
並んで座っている北三条 真絋と片浜 瑛茉は、今交際中だ。
真絋が小さな箱を、瑛茉に差し出し言った。
「━━━━瑛茉、結婚しよう!」
━━━━━━━━
━━━━━━…………
一流企業の社員で、イケメン。
優しく、穏やかで仕事も完璧にこなす頼れる紳士。
いわゆるスパダリ、真絋。
一方の瑛茉は、幼い頃に遭った事故で左目を負傷し、視力を失い深い傷を負っている。
そのため瑛茉は、左目を前髪で覆い隠している。
真絋と違って、ごくごく普通の瑛茉。
何が優れているでもない。
左目のコンプレックスで、控え目に目立たないように生きてきた。
なので瑛茉は、真絋との交際に引け目を感じていた。
そんな二人。
何の接点もないようだが、瑛茉は真絋の勤める会社の清掃員の仕事をしていた。
二人はそこで出逢った。
真絋が勤めている会社は清掃を社員の退社後に行っていて、瑛茉は夕方から夜にかけて清掃をしていた。
瑛茉がこの仕事を選んだのは、仕事が夜で同僚清掃員以外、誰にも会わずに済むから。
(昼の掃除もあるが、瑛茉は事情を話して夕方だけにしてもらっている)
基本的には、一人で黙々と仕事できるからだ。
前髪で隠してるとはいっても、いつどんなタイミングで前髪の下を見られるかわからない。
だから、できる限り人と接触しない仕事をしている。
二人が出逢ったのは、一年程前。
その日真絋は、一人で残業をしていた。
同僚で友人の鳥井 時康に、書類作成を頼まれたからだ。
『彼女と約束してんだよ!
飯、何でも奢るから!』
そう言われ、黙々と作業をしていた。
「ん?間違っ…て…る?
え……ちょっと待って。
最初から入力し直しじゃん!
………はぁ…ご飯奢りだけじゃ、わりに合わないな……これ…(笑)」
それからも、黙々と作業する。
「━━━━━━
━━━━終わったぁー!!」
おもいきり、伸びをする。
そこに、遠慮がちに「すみません」と声をかけられた。
「ん?誰?」
「あ、私。
清掃の……」
そこに現れたのが、瑛茉だった。
左側の前髪に触れながら、話す瑛茉。
「あー、掃除か!」
「は、はい。
すみません、いいですか?」
「もちろん!どうぞ?」
「すみません」
ゴミを集めたり、掃除機をかけたりする。
そして、デスクの上をさりげなく整える。
なんとなく瑛茉をジッと見ていた真絋。
瑛茉に声をかけた。
「……………君だったんだぁ」
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