孤独だった君に、僕の全身全霊の愛を…
「瑛茉、泣かないで?
僕も、泣きたくなる……」

「うん…
ありがとう、真絋」

「うん」

「真絋は、本当に私にはもったいない人。
素敵な男性だよ!
そんな人の恋人になれて、私幸せだよ!」

「フフ…僕も」

真絋が、瑛茉の前髪をゆっくり払う。
左目が露になり、瑛茉が少し強張る。

優しく、真絋が口唇で瑛茉の左目にキスをした。

「━━━━━大丈夫。僕が、ずっと傍で守るからね……!」


それから、弁当を広げる。

「わぁー、美味しそうだね~!」
「そうかな?/////
真絋の口に合うと良いんだけど……」

「いただきます!」
手を合わせ、口に入れる真絋。
それをジッと見つめる、瑛茉。

「………」

「………」

「………」

「ん!美味しい~!」

「ほ、本当?」

「うん!僕は、嘘なんか言わないって言ったでしょ?」

「うん。良かったぁ…!」

「瑛茉、料理上手だね!」

「そ、そうかな?/////
でも真絋の方こそ、上手そうだけどな!」

「そんなことないよ?
もちろん一人暮らしだから、自炊はしてるけど…
適当だし(笑)」

衣音(いお)ちゃ……あ、友達の彼がね。
真絋と同じ会社の営業で働いてる社員さんなんだけど“北三条 真絋は優秀で、色んな社員に頼りにされてて、彼を知らない社員はいない”って言ってた。
私、その彼の紹介で真絋の会社の清掃員で働いてるの」

「営業…
その彼の名前、聞いてもいい?」

「え?
富根(とみね) 秀晃(ひであき)くんだよ」

「あー、富根くんか!」

「知ってるの?」

「うん。富根くんこそ、優秀な営業マンだよ?
三回くらいかな?
飲みに行ったことがあるんだ。
ウチの課と、富根くんの課で」

「そうなんだ!秀晃くんも、しっかりしてるもんなぁ」

「………仲、良いの?富根くんと」

「え?真絋?」
窺うような真絋に、瑛茉は目をパチパチさせる。

「あ、いや、ちょっと気になって……」

「うーん。仲良いというか、友達の彼氏さんだし。
大学も一緒なの。
秀晃くんも、左目のことちゃんと理解してくれてて。
あ!前に左目のことでからかわれた時ね、秀晃くんが一喝してくれたんだよ!」

「そっか…」

真絋の表情が、曇っていた。
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