孤独だった君に、僕の全身全霊の愛を…
真絋の好きな釣り堀に向かう。

「━━━━ん?真絋見て!」
「ん?」

ポスターが貼ってあり、魅力的な内容が書かれていた。

【本日、感謝デー☆
堀の中にいる、真鯛を釣った方にはもれなくお土産を差し上げます!!】

「真絋なら、釣れるんじゃないかな?」

「頑張ってみようかな?」

「私も、頑張ってみる!まぐれが起きるかもだし(笑)」


━━━━━━━━
━━━━━━…………

「………残念だったね…」
「もう少しだったんだけどな……」

魚は沢山釣れた。
だが真鯛はかなりの大物でかかりはしたのだが、釣り上げることができず結局釣れずに終わった。

おかげで豪華なランチにはありつけたが、真絋は落ち込んでいた。

「でも!真絋のおかげでまた豪華なランチだった!
ありがとう!」
微笑み言うと、真絋も微笑んだ。

帰ろうとして、瑛茉は売店に目を向けた。
「あ!キーホルダー買って帰ろうよ!
ほら、ルアー型のキーホルダー可愛いよ!」

「うん!」
真絋を元気づけるように言うと、真絋も微笑み頷いた。

「━━━━━━どれが良いかな~!」
微笑みながら、沢山のキーホルダーを見て回る瑛茉。
真絋は、微笑ましそうに見ていた。

そして「あ!」と、何か思い付いたように顔を上げた。
「お互いに、選ばない?
私が真絋ので、真絋が私のを!
沢山あるし、選び甲斐があるよ!」

「フフ…いいよ!」

一度離れて、15分程選んでまた合流した。

「せーので、見せてね!」
「了解!」

「「せーの!!」」

「………」

「………」

「「え……」」

「フフ…」
「フッ…」
お互い、顔を見合わせて笑う。

沢山の種類の中、同じ形のルアー型キーホルダーを選んでいたのだ。
違うのは、色だけ。

「なんか、嬉しいな!」
と、真絋が微笑む。

「ん?」

「瑛茉と感覚が似てるってことだよね?
だから、嬉しい!」

「フフ…そうだね!」

「じゃあ、交換ね!」
「うん!」

それぞれ、鍵につけた。
二つ並んだキーホルダーを見て、瑛茉は思う。

何気ない、ごく小さなことなのに凄く幸せだと。
こんな穏やかな幸せは、久しぶりだ。

ずっと、目立たないように控え目に生きてきた。
きっと一生、一人で生きていくんだと思っていた。
恋愛なんて皆無だと。

真絋に出逢えて良かった━━━━
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