孤独だった君に、僕の全身全霊の愛を…
「「いただきます!」」

「………」

「………」

「「ん!美味しい!」」

顔を見合わせて、微笑んだ。

「真絋は凄いなぁー」
「ん?」

「本当に何でも出来るから!」

「………」

「……真絋?」

「面白くない男だよ……」
スプーンを持つ手が止まり、落ち込んだように視線を逸らす。

「え?
面白い?」

「元カノにね。
言われたんだ。
“面白くない”って。
何でも器用に出来るから、全く可愛くない。
私ばっか背伸びして、疲れるって」

「そんな……」

「……って、元カノの話なんて聞きたくないよね!
ごめんね!瑛茉は、僕の前で僕以外の男の話しないでくれてるのに、僕がするなん━━━━━え……?」

真絋が顔を上げると、瑛茉は泣いていた。

「そんなこと言わないで!」

「瑛茉…」

「器用だなんて、素敵なことだよ!」

「ありがとう…!瑛茉に言われると嬉しい!」

「それに真絋、可愛いとこあるよ?
魚釣りしてる時の真絋は、ずっと可愛いよ!
大きな魚を釣った時なんか、少年って感じ!
キラキラして、可愛くて、ギュッてしたいくらいに!
それにデートの後、真絋がアパート前まで送ってくれるでしょ?
ギリギリまで私の手を握って、離れがたそうにしてる時の真絋も可愛い!
実は私、キュンキュンしてる!
それから━━━━━」

「もういいよ/////なんか、恥ずかしいよ(笑)/////」

「まだあるよ!」

「ありがとう、瑛茉。
もう!僕も泣きそうになるじゃんか!(笑)」
真絋の瞳も少し潤んでいて、泣き笑いのようになっている。

「だって…」

「でも、ほんと嬉しい!ありがとう!」

「真絋」

「ん?」

「私はね。
真絋に出逢えて良かったと本当に思ってる。
もちろん大好きだからってのもあるけど、真絋のおかげでほんの少しだけ自信が持てるようになったの。
私、この左目のことで存在を消すようにして生きてきた。
大袈裟だけど、私がこの世界にいるのが許されないみたいな。
でも、真絋が“ここにいていい”って思わせてくれた!
だから私は真絋につり合うようにって背伸びすること、全く苦じゃない!
頑張ろうって思えるの!
だから、これからも真絋は真絋でいて?」
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