孤独だった君に、僕の全身全霊の愛を…
「真絋!!」

「……っあ!?え!?」

「どうしたの?
体調悪い?」
瑛茉が、真絋の額に触れた。

「あ…ううん。元気だよ!」

「そう?
うーん…確かに、熱くはないみたい…
どうする?行くのやめる?
家でゆっくりする?」

「ううん!行こ?水族館」


仲良く、餌やり体験を行う。
でも真絋は、どこか浮かない顔だ。

「真絋」
「ん?」

「ほんと今日、どうしたの?変だよ?」

「え?」

「帰る?」

「ううん!」

「でも、なんか……心ここにあらずだよ?」

「ちょっとね…」

「仕事で何かあったとか?」

「ううん」

「じゃあ…プライベート?」

「まぁ、そんな感じかな?」

「え?じゃあ…私?」

「うん、まぁね…」

「え!?私、なんかしたかな!?」

「ううん!何もしてないよ!」

「じゃあ何?」

「ごめん。
“今は”言えない」

「………なんか…怖いこと?」

「そんなことないよ!」

「だったらいいけど……」

「ごめんね、不安にさせて!
よし!
ランチ食べに行こ?
瑛茉が好きな、蕎麦食べに行こ!」


瑛茉がよく行く蕎麦屋に向かう。
注文し待ちながら、不意に真絋が聞いた。

「瑛茉って、アクセサリーつけないの?」
よく見ると、何もつけていないのだ。

「うん。あんまり、好きじゃなくて…
でも最近は、ペアのアクセサリーとかいいなぁって思うようになったんだけどね!
それこそ、衣音ちゃんと秀晃くんがペアリングしてるの!
羨ましいなぁって!」

「そっか!」

「私達も……」

「ん?」

「あ…/////ううん!」

真絋の手が伸びてきて、瑛茉の指に絡めてきた。
そしてキュッと握ってくる。

「瑛茉、可愛い!」
「え?/////」

「初めて逢った時から可愛いけど、もっと…可愛くなった……!」

「あ、ありがとう…/////」
前髪に触れ、はにかむ。

前髪は短くなったが、癖は直っていない。
照れた時や、傷ついた時は癖で前髪に触ってしまう。

「……………何処にも…行かないでね……」

ポツリと呟く真絋。
瑛茉はゆっくり真絋の頭を撫でた。

「何処にも行かないよ!
ずーっと、真絋の傍にいたいから!」

そう言うと真絋は更に握りしめ、嬉しそうに微笑んだ。
< 27 / 62 >

この作品をシェア

pagetop