孤独だった君に、僕の全身全霊の愛を…
そして今日は真絋と瑛茉の結婚祝いに、秀晃と衣音、時康と恋人の野花(のはな)の六人で小さなパーティーを行う。

待ち合わせ場所に向かう。

個室に入ると、パーン!!!とクラッカーが鳴った。

「わっ!!?」
「び、ビックリしたぁー!!」

「「「「結婚、おめでとう~!!」」」」
ビクッと身体を震わす真絋と瑛茉に、声を揃えて祝う。

「「ありがとう!」」
真絋と瑛茉も、満面の笑みで微笑んだ。


「━━━━━━それにしても、急だよな」
秀晃が、苦笑いで言った。
「私も、ビックリしちゃった!」
衣音が賛同する。

「ごめんね(笑)」

「真絋、まさかとは思うが俺が“あんなこと”言ったからなの?」

「あー(笑)
それもあるけど、それだけじゃないよ!」
時康の言葉に、思い出したように笑う。

「何なの?
“あんなこと”って?」

「最近瑛茉、会社で人気なんだ。
“綺麗になった”って」
野花の問いに、真絋が微笑み言った。

「え?そ、そうなの!?」
「そうだよ。
それだけでも不安なのに、イメチェンまでするんだもん!」
目を見開く瑛茉の頬を軽くつまむ。

「イメチェン?」
「あー、ヘアスタイル変えて、眼帯したから?」

「そうだよ。
ビックリしちゃった!
待ち合わせ場所の駅に行ったら、瑛茉の可愛さが益々増してるんだもん!
あの瞬間、ヤバいと思って」

「そうゆうこと!」

「あと、式はいつするのー?」

「式は、ゆっくり準備して来年くらいかな?」

「フッ…」
「極端だな(笑)」
時康と秀晃が噴き出し笑う。

「え?確か、プロポーズしてから一ヶ月も経ってないよね?(笑)
引っ越し、挨拶、入籍」
「そ、そうなの!?(笑)」
指折り笑う衣音と、クスクス笑う野花。

「「そうだね(笑)」」
真絋と瑛茉も、クスクス笑う。

「だって僕的には、とりあえず瑛茉と“離れない”ってことが重要だから!」



「━━━━ふぅー、ちょっと飲み過ぎたかな?」
食事も終盤に差し掛かり、トイレに行き洗面台の鏡を見ていた瑛茉。

誰もいないのを確認し、眼帯を取った。

「………やっぱ、痕が濃くなってる」
左目の周りを冷やすように、左目を洗う。
そして、個室に戻る。

個室に向かう途中、ボックス席に座っていた女性客の話が聞こえてきた。

「ねぇ!今、喫煙所にチョーカッコいい人がいたよ!」
「そうなの!?」
「ヤバかった!」

(喫煙所って、真絋達が今いるよね?)

「見てみたい!」
「行ってみる?まだいるといいけど」

女性達が、パタパタと向かう。
思わず瑛茉も、追いかけるように喫煙所に向かっていた。
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