孤独だった君に、僕の全身全霊の愛を…
独占
「━━━━あーぁ、夜まで瑛茉に会えない……」
仕事に出る真紘を玄関で見送っている、瑛茉。
真紘が瑛茉の手を握りしめ、切なく瞳を揺らしていた。
「仕事終わったら、急いで帰るから!」
「うん」
「走って帰る!」
「うん」
「全速力で!」
「うん」
「だから、真紘……ね?」
「………うん、ごめんね…瑛茉。
毎日、困らせて…」
真紘はほぼ毎朝仕事に出る時、瑛茉に駄々をこねて困らせていた。
「ううん!私も、早く会いたいし!」
「はぁ…離れたくないよ……」
握りしめた手をそのまま引き寄せて、抱き締める。
「主任にね。
話はしてるの。
昼間の仕事に変えてもらえないか。
でも私、元々はこの左目のことがあったから、夜限定で契約したの。
夜は、時給も高いしね。
だから今更難しいみたいなの。
ごめんね……」
「ううん。そっか…」
「━━━━ねぇ、どうしたらいい?」
その日のランチ。
真紘は時康と、近くの定食屋にいた。
「は?何が?」
「瑛茉のこと!」
「つか!辞めて、専業主婦にでもなってもらえばいいじゃん!
真紘が十分、養っていけるだろ?」
「言ったよ!それ!」
「え?」
「断られたの!!」
「そうなんだ……(笑)
でもなんで?
瑛茉ちゃんって、仕事人間って感じしないのに」
「“私もちゃんと、真紘を支えたい”って言って」
「へぇー!
相変わらず、しっかりしてんな!」
「はぁ……」
「ほんと“あの”真紘とは思えないな(笑)」
「は?」
「ん?高校の時の、やんちゃな真紘」
「やんちゃって…(笑)
そんな可愛いもんじゃないよ、僕は」
「まぁ、そうだな(笑)」
仕事が終わり自宅マンションに帰る。
「ただいまー」
声をかけてみるが、当然何も返事がない。
「はぁ…
会いたいなぁ」
とぼとぼと中に入る。
テーブルに瑛茉からの手紙が置いてあった。
【真紘へ
おかえり!
仕事、お疲れ様!
冷蔵庫に、夕食を作って入れてます。
もし良かったら、食べてね!
仕事終わったら急いで帰るから、待っててね!
瑛茉】
瑛茉の丁寧な字をなぞる。
自然と笑みが出た。
冷蔵庫にある夕食を温め、噛み締めるように味わうように食べる。
「美味しい……!」
気分が晴れた気がした。
数時間後、瑛茉が帰宅する。
心なしか足取りが軽い。
「ただいま、真紘ー」
仕事に出る真紘を玄関で見送っている、瑛茉。
真紘が瑛茉の手を握りしめ、切なく瞳を揺らしていた。
「仕事終わったら、急いで帰るから!」
「うん」
「走って帰る!」
「うん」
「全速力で!」
「うん」
「だから、真紘……ね?」
「………うん、ごめんね…瑛茉。
毎日、困らせて…」
真紘はほぼ毎朝仕事に出る時、瑛茉に駄々をこねて困らせていた。
「ううん!私も、早く会いたいし!」
「はぁ…離れたくないよ……」
握りしめた手をそのまま引き寄せて、抱き締める。
「主任にね。
話はしてるの。
昼間の仕事に変えてもらえないか。
でも私、元々はこの左目のことがあったから、夜限定で契約したの。
夜は、時給も高いしね。
だから今更難しいみたいなの。
ごめんね……」
「ううん。そっか…」
「━━━━ねぇ、どうしたらいい?」
その日のランチ。
真紘は時康と、近くの定食屋にいた。
「は?何が?」
「瑛茉のこと!」
「つか!辞めて、専業主婦にでもなってもらえばいいじゃん!
真紘が十分、養っていけるだろ?」
「言ったよ!それ!」
「え?」
「断られたの!!」
「そうなんだ……(笑)
でもなんで?
瑛茉ちゃんって、仕事人間って感じしないのに」
「“私もちゃんと、真紘を支えたい”って言って」
「へぇー!
相変わらず、しっかりしてんな!」
「はぁ……」
「ほんと“あの”真紘とは思えないな(笑)」
「は?」
「ん?高校の時の、やんちゃな真紘」
「やんちゃって…(笑)
そんな可愛いもんじゃないよ、僕は」
「まぁ、そうだな(笑)」
仕事が終わり自宅マンションに帰る。
「ただいまー」
声をかけてみるが、当然何も返事がない。
「はぁ…
会いたいなぁ」
とぼとぼと中に入る。
テーブルに瑛茉からの手紙が置いてあった。
【真紘へ
おかえり!
仕事、お疲れ様!
冷蔵庫に、夕食を作って入れてます。
もし良かったら、食べてね!
仕事終わったら急いで帰るから、待っててね!
瑛茉】
瑛茉の丁寧な字をなぞる。
自然と笑みが出た。
冷蔵庫にある夕食を温め、噛み締めるように味わうように食べる。
「美味しい……!」
気分が晴れた気がした。
数時間後、瑛茉が帰宅する。
心なしか足取りが軽い。
「ただいま、真紘ー」