孤独だった君に、僕の全身全霊の愛を…
そして週末━━━━━
仕事終わりに、衣音に連絡をする。
『瑛茉~』

「今終わったんだけど、どうかな?
もう、解散した?」

『まだまだー!
今、二件目~』

「わかった!
場所は?」

言われた場所に向かう。
「ここ…か……
よし!!」
深呼吸をして、店に入った。

「いらっしゃいませー」

「あ、えーと…」
キョロキョロしていると、秀晃が「瑛茉!こっち!」と手招きしてきた。

瑛茉は頷き、パタパタと駆けていった。

「瑛茉来たぞー!」
「遅くなってごめんね!」

「瑛茉!」
「瑛茉?」
「嘘、ほんとに瑛茉!?」

「片浜!?」
「マジで“あの”片浜!?」

「言った通だろ?」
「綺麗になったでしょ?瑛茉」

「ほんとだー!」
「瑛茉、変わったね!」
「可愛い!」

「可愛いじゃん!」
「可愛い~」

「……//////」
(は、恥ずかしい/////)
顔を赤くしながら、衣音の隣に座った。

「━━━━あ!真絋くん、寂しがらなかった?」
「あー(笑)」


『━━━━え!?飲み会!?
じゃあ、遅くなるの?
何時に帰ってくる?
………………早く…帰ってきてね……』


「………捨て犬みたいだった…(笑)」
真紘の姿を思い出して、クスクス笑う。

「捨て犬?(笑)」

「だから今日は、顔だけ出すつもりで来たの」

「そっか!
真絋くんって、寂しがり屋なんだね(笑)」
「そうみたい(笑)」

「何の話?」
瑛茉と衣音の会話に、友人が入ってきた。

「あー、瑛茉の旦那の話!」

「「「旦那!!?」」」

「うん。ヤバいくらいにカッコいいよ!」
「ちょっ…衣音ちゃん!?」

「いいじゃん!そんな隠すことじゃないでしょ?」
「そうだけど……」

「写真とかないの~?」

「あるけど……」

「見せて!」

正直、嫌だった。
真絋を誰にも見せたくないと思ってしまっていた。

でも嫌だなんて言えない。

「う、うん…」
スマホを取りだし、ロックを解除した。
待ち受けに、真絋と瑛茉のツーショットが映し出された。

「わ…/////」
「イケメン…/////」
「顔面偏差値、高っ!!」

「瑛茉、会わせてー!!」

「え……そ、それはさすがに……」

「いいじゃん!会わせてよー!」

瑛茉は、完全に退いてしまっていた。
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