孤独だった君に、僕の全身全霊の愛を…
「━━━━瑛茉ー!ただいまぁ!」

真絋が、仕事から帰ってきた。
靴を脱ぎながら、首をかしげる真絋。

瑛茉が出迎えてくれない。

「瑛茉ー?
瑛━━━━━あ…/////可愛い~」

声をかけながら中に入る。
ソファでうたた寝をしている瑛茉を見つけ、幸せそうに微笑んだ。

「…………え?泣いてる?」
優しく、瑛茉の目元を拭う。

嫌な夢でもみているのだろうか。
眉間にシワを寄せ、とても悲しそうだ。

起こそうか━━━━?

うん。
起こして、嫌な夢から解放してあげよう。

そう思った真絋。
瑛茉の肩を揺すり、起こそうとする。

しかし━━━━━

「………して…ど、して…アキ…く…」

「え………」

誰!!?
アキ!?
アキって、誰なの!!?

真絋は瑛茉を叩き起こそうとして、ピタッと手を止めた。

「ダメダメ!!」

感情に任せて責めたら、瑛茉を傷つけることになる。
冷静に、瑛茉が起きるのを待って聞かないと。

苦しそうに泣いている、瑛茉。
きっと辛いことがあって、その夢をみているのだろう。

真絋は大きく深呼吸をして、着替えにクローゼットへ向かった。

スウェットに着替え戻る。
ちょうどそこに、ガバッと瑛茉が起き上がった。

「………っあ!!?ここ…何処!?
あ…あ…そうか。
真絋の家だ。
大丈夫、大丈夫。
真絋は帰ってくる。
何処にも行かない!」

真絋が後ろにいることに気づいていない、瑛茉。
自分に必死に言い聞かせていた。

「真絋に会いたいな。
電話━━━━いや、ダメだ。
仕事中だし、迷惑になる!」

ぶつぶつ言っている瑛茉の独り言を聞いていたくて、そのまま静かに耳をすませる。

「アキくんのこと、黙ってた方がいいかな?
いや、黙るってことは隠してるみたいだよね……
やましいことがあるみたいに思われる。
…………うん!やっぱ、話そう。
そのおかげで、真絋への気持ちを再認識したんだし、ちゃんと話して“大好き”って伝えよう!
━━━━━よし!ご飯の準備━━━━え!!!?」

ひたすら独り言を言い、立ち上がって振り返った瑛茉。
そこでやっと、真絋の存在に気づいた。

まさか、真絋がいるなんて思わない瑛茉。
思いがけない光景に、固まってしまう。


「ただいま、瑛茉!
…………ねぇ、聞かせて?
今、話してたこと全部!」
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