孤独だった君に、僕の全身全霊の愛を…
時康「━━━━つか、腹減らね?」
真紘「そうだね」
秀晃「………
よし!俺達でなんか買ってくるぞ!
アキ、女三人といて!」

昭典「え?
いや、俺が買って━━━━━」
秀晃「━━━━━」

秀晃が昭典に耳打ちする。

秀晃「ほら!行くぞ!」

真紘「は?なんで!?」
時康「みんなで行きゃよくね?」

秀晃「いいんだよ!」

秀晃が真紘と時康を連れていき、昭典は瑛茉に向き直った。

“これが最後だ。
ちゃんと、ケジメつけろ!!”

昭典「瑛茉」

瑛茉「ん?」

昭典「一つだけ、正直に聞かせて」

瑛茉「うん」

昭典「大学のあの二年間。
俺のこと、ちゃんと好きだった?」

瑛茉「そんなの……
大好きだったよ。
私も、真っ直ぐアキくんを見ること出来なかったけど……
二年間、幸せだった!
アキくんのこと、大好きだった………!」

その言葉に昭典は微笑み、瑛茉を抱き締めた。

瑛茉「え?え?ちょっ…ダメだよ!!」
慌てて押し返す。

昭典「俺も、スゲー好きだった!
ありがとな、瑛茉!
これで最後にするから。
俺もいい加減、明るい未来を見るから!
少しだけ……」


一方の真紘達。

秀晃「何買う?
焼きそば?たこ焼?」

真紘「………」
時康「真紘、機嫌悪っ!(笑)」

秀晃「ガキじゃねぇんだからさ!
瑛茉のこと、信じてんだろ?」

真紘「は?
僕は、瑛茉のこと“は”信じてるよ?
でも元彼のことは、心の底から疑ってる」

秀晃「大丈夫だって!衣音もいるし」

時康「まぁまぁ!
とりあえず、腹減ったし買って戻ろうぜ!」


そして焼きそばなどを買って戻ろうとしていると……………

「あれ~?真紘さん?」
「やっさんもいる~」

真紘・時康「え?
━━━━━!!!?」

秀晃「誰だ?」

「久しぶりっすね~」
「高校卒業してから、全然ご無沙汰だったから」
「こんなとこで会うなんて!」

男性が数人声をかけてきて、真紘と時康に近づいてきた。

真紘「久しぶりだね」
時康「お、おぅ」

「今度、飲みに行きましょうよ!」

真紘「ごめんね、僕忙しいんだ。
だから、無理だよ」
時康「俺も、ここんとこバタバタしててさ」

「………なんか、二人共変っすね」
「別人みたいに見える」

真紘「そりゃそうだよ。
あれから何年経ってると思ってるの?」

「いや、そうじゃなくて!」
「よそよそしいってことですよ。
え?俺達、声かけちゃダメでした?」

時康「そうじゃねぇけど。
連れが待ってるからさ!
またな!
真紘、富根、行こ!」

そう言って、行こうとする。

しかし、男が真紘の腕を掴み引き留めた。
「ちょっと待ってください、よっ!」
< 54 / 62 >

この作品をシェア

pagetop