甘さをもっと、
すると....................................
「沙菜。──────のに、」
私の名前を呼んでから、何かを言ったあっくん。
でも、その内容がほとんど聞こえないうちに。
気づけば、
私の方に、近づいて来てるあっくんの顔。
「っ、あっ、くんっ、」
驚きながら、
ぎゅっと目を瞑って、名前を呼んだ瞬間。
ふわりと感じる、
あっくんの甘い香りがもの凄く近くて。
気づいたときには、
〝ほっぺた〟に触れていた温もり。
その温もりは、前にあっくんと、
ぎゅーーっとした時よりも甘い糖度で。
「〜っ、あっくん、ぃ、いまっ、」
明らかに動揺していると、あっくんは。
「っ、糖度90だから、先に言ったのに、」
あっくんは、
前より甘い糖度をボソッとそう言ってから。
「これ以上は、だめ、って」
私と視線をちゃんと合わせて言って、
軽く、私の頭をぽんぽんとすると。
あっくんの部屋なのに、
そのまま、部屋を出て行ってしまった。