甘さをもっと、


口には出さなかったけど。



〝考えてるよ?〟って、
目であっくんを見つめれば。



「.........はー、沙菜ってほんとズルい、」



そう言いながら、無造作にセットされている、
ほんのり茶色みががった髪の後ろを、
軽くかいているあっくん。



「っ、ず、ズルくない、もん、」



口ではそう言ってみるけど、
見つめながら、伝わるように言ったのも事実。



「ん。ま、かわいーからいいけどさ、」



そう言って私をチラリと見るあっくん。



バチッと視線が交わった瞬間。



「............んっ、」



完全不意打ちに、
落ちて来た、あっくんの温もり。



「沙菜。2日間、独占出来ないぶん、
甘さをもっと、ちょーだい?」



そう言った、あっくんの言葉は。



その言葉通り、あっくんが満足するまで。



〝1番甘い糖度〟を、
されると言う始まりの言葉だった...............


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