甘さをもっと、
それと同時に、
私のくちびるから離れた、あっくんの指。
「......っ、あっくん?」
不思議に思って名前を呼ぶと..................
「、あー、なんでもない、」
無造作にセットされている、
ほんのり茶色みががった髪の後ろを、
軽くかいているあっくん。
なんか、
まるで誤魔化されてるみたいで...............
「何が、甘くないの?」
そう問いかけると。
「勉強は、糖度0だから」
出た。あっくんの癖。
何でも〝糖度〟で表すあっくん。
「だからね、沙菜。勉強は、甘くない。
だから、甘さを足すために食べてる」
〝勉強は、甘くない〟
そう説明してくれたあっくんだけど。
じゃあ、スイーツは?と、
あっくんの、
〝糖度〟で表す癖の謎は、分からないまま。