風が吹いたら、君と世界を変える
「何で笑ってるの?」


「いや、俺も羽乃愛の強さに惹かれたのかも」


「え?」


「羽乃愛には病気になんて負けないでほしいってこと」

「それは血のため?」

「どっちだと思う?」

大志が悪戯っ子のように笑った。

「ま、早く母親に素直な気持ちを言えよ。お前が母親と向き合えたら、俺が褒めにまた来てやるよ」

「本当?」

「ああ、約束」

その瞬間、風が吹いて、また大志は消えてしまった。
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