風が吹いたら、君と世界を変える
「我が儘だな」

そう言いながら、大志が私のベッドの横まで近づいてくる。

そして、そっと私の頭をくしゃくしゃと撫でた。

「ちょっと!もっと優しく撫でてよ!」

「注文が多いな」

文句を言いながらも、優しい手つきで頭を撫でてくれる。

「ねぇ大志・・・」

「何だよ」

「私ね、20歳までは生きられないかもしれないんだって」

大志は黙ったまま、私の頭を撫で続けている。
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