風が吹いたら、君と世界を変える

「それを聞いた時ねー、泣いちゃった。そんなに毎日を楽しいとか思ってなかったはずなのに、急に世界が輝いて見えだしたんだ。笑っちゃうよね」

「当たり前がなくなると、その大切さに初めて気づくの」

「本当にね、死ぬつもりなんてさらさら無いの。でも、怖くないって言ったら嘘になるんだ」

「だから大志が現れたあの日にした約束、「病気が治ったら血をあげる」っていうあの約束は、私にとっては希望なの」

「絶対に守るから、待っててね!」


大丈夫、ちゃんと笑えてる。

だって、女の子は笑顔が可愛いってお母さんが言ってた。

すると、大志が私の頭を撫でていた手をそっと私の背中に回した。

そして、私を優しく抱きしめる。
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