風が吹いたら、君と世界を変える
「羽乃愛」

大志が私の手の甲にキスをする。

「何してるの!?」


「約束の印。女はロマンティックなものが好きって父さんが言ってた」


「そういう問題じゃ・・・!」

「あーあ!早く羽乃愛の血が飲みてー!」

大志が私の方を見てニヤッと片側の口角を上げた。

その顔が何だか憎《にく》めないくて、私はつい笑ってしまった。

「元気になった私の血が美味しすぎて、大志倒れちゃっても知らないから!」

「俺は美食家だから、結構厳しいぞ」

「絶対にバカ舌っぽいけど」

「おい!」

そんなくだらない話をしている内に、消灯の時間まじかになる。
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