風が吹いたら、君と世界を変える
「俺、吸血鬼。って言ったら信じる?」

男の子が悪い笑みを浮かべている。


「信じる、かな・・・」


「は?」


私が信じると言うと男の子は驚いた顔で固まった。

「いやだって、窓から入ってくる時点で絶対に人外だし。ここ5階だし。お迎えじゃないなら、もはやなんでもいい!」

私は、勢いよく言い放った。

その瞬間、男の子は急激につまらなさそうな顔になった。

「もっと驚くと思ったのに。はぁ、まあいいや。じゃあ血を頂戴」

「は?」

「いや、だからお前の血。俺、吸血鬼だって言ったよね?」
< 6 / 40 >

この作品をシェア

pagetop