聖女さまがいっぱい!(聖女ショートショート集)
 神官が厳かに私にたずねる。
「聖女、前世を思い出すことはできましたか」

「はい、私はホニャララ国で前世を過ごしました」

 神官は本を手に、何かを調べ始める。
「そんな国は今までの記録にありませんね」

 え、まって、そんなんもってるとかアリ!?
 やばいやばいやばい。

「本当に思い出してますか?」
「は、はい」

 もし嘘だとバレたらどんな目に合うかわからない。神殿を騙したらどんなに重い罪になるだろう。
 嘘を付き始めたなら突き通さなくてはならない。
 私はごくりと生唾をのんだ。


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