心の星
そう思ったらそうとしか思えなくて、その後の話は何も覚えていない。

気がついたらもう家の前まで来ていた。

いつもなら手前の交差点で別れる颯樹が隣にいた。

「大丈夫か?俺ならいつでも連絡してきていいから。ほのかが呼んだらいつだってそばにいる」

「…ありがと。じゃあ、ばいばい」

「うん」

私はいつもの何倍も重さを感じるドアを開けて家に入った。

「おかえり、灯」

今日もお母さんは笑っている。
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