心の星
それを見たら、涙が出てきてしまった。

「どうしたの、灯」

「ねえ、お母さん。お父さん、浮気したの?」

くぐもる声で私は聞いた。

途端にお母さんの顔が暗く沈む。

囁き声くらい小さい、耳をすまさないと聞こえないくらいの声。

「颯樹くんから聞いたの?」

否定しないお母さんの問いかけにやっとの思いで答える。

「…うん」

「言わないでって言ったのに」

「お母さん、ごめんね。お母さん辛かったのに私だけ気づかなかった」
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