心の星
そう呟いたときに私は後ろから誰かに抱きすくめられた。

「そんなこと言うなっ!」

耳元で聞こえた悲痛であってしっかりした声。

乱れた息もそのままに必死に叫ぶのは湊人だった。

「俺はほのかが大事なんだよ。だから、いなくなりたいなんて言うなよ」

私は湊人の方に向かわされた。

目の前の湊人は声とは裏腹に今にも泣きそうな顔だった。
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