心の星
灯は当然成長していたけど、どこかに面影を残していた。

灯は俺の顔を覗き込んでは手を伸ばした。

その手は俺の頬を優しくなぞる。

そこで俺は自分が泣いていることに気づいた。

「ねえ、君は昼にも星は見えると思う?」

灯は俺に聞いてきた。

「…見えないんじゃない?」

俺は小さく答える。

「星はね、見えるんだよ!お母さんが昔言ってた。空を見上げて目を閉じたら心の中で照らしてくれるの。目には見えないけどずっと星は私のことを見ててくれてるの」
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