心の星
灯は言った通り空を見上げて目を瞑っている。

「ほら、やってみて!見えるから」

俺は灯に倣う。

すると、見えないはずの星が光った気がした。

「もし辛くなったら思い出してよ。私、お星様にお願いしておくから。助けてあげてって」

思わず俺は灯の方を向く。

すると彼女はこっちを見て優しく微笑んでいた。

「…ありがとう」



今考えれば非科学的で現実にはないことだけど、俺は灯の言葉に何度も救われた。

母が亡くなってこの街に戻ってきてからも。
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