一途な御曹司の甘い溺愛~クズ男製造機なのでお付き合いできません!~
「じゃあ、今日はありがたくこれを使わせていただきます」
 パッケージを手にしたとき、後ろから強靱な腕で体を包み込まれる。
 紗英の体は、すっぽりと悠司の腕の中に収まった。
「あっ……悠司さん」
「もう完全に俺のものだ。俺に愛される覚悟はできてる?」
 恥ずかしくなった紗英は咄嗟に反応できず、悠司に抱きしめられたまま固まってしまう。
 そんな彼女を、ぎゅっと抱きしめてから、悠司はブラウスの釦をひとつひとつ外していった。
「一緒にシャワーを浴びよう。きみの体を洗ってあげる」
「そんなの……恥ずかしい」
 紗英の言葉は嫌がりながらも躍っていた。
 シャワーを浴びるのまで一緒にするなんて、恥ずかしいけれど、嬉しくて胸が弾む。
 悠司は釦を外すと、後ろからブラウスを脱がせる。そして彼は紗英のスカートに手をかけて、するりと引き下ろした。
「あ……自分で脱ぎます」
「だめだよ。俺に任せるんだ」
 キャミソール姿になった紗英の肩を抱いた悠司は、振り向かせる。ふたりは向き合う形になった。
 そっと、ふたりはくちづけを交わす。
 悠司のキスはいつも甘くて優しい。
 チュ、チュと小鳥のように啄んで、またしっとりとふたりは唇を重ね合わせた。
 唇を合わせながら、悠司の手がキャミソールの紐を外す。
 するりとキャミソールが脱がされて、足元に滑り落ちた。
「あ……」
 続けてブラジャーの紐にも手がかけられる。
 紗英は悠司のくちづけで塞がれているので、目線を下げることができない。脱がされるのを肌の感触だけで味わわされるのは、どきどきと胸が高鳴った。
 背中のホックを外され、はらりとブラジャーが肌を離れた。
 まろびでたふたつの膨らみは、悠司のシャツに擦りつけられる。
「ん、ん……」
 けれど淫らなキスは終わらない。
 ぬるりと唇の合わせを舐められたので、薄く唇を開く。
 そこに、獰猛な舌がもぐり込んだ。
 悠司の舌は歯列を舐め上げてから、敏感な口蓋を突く。
 紗英の体は淫靡な刺激を受けて、びくんと弾んだ。
「あ……ふ……」
 腰の奥が熱くなる。
 じゅわりと愛蜜が溢れてくる感覚に、紗英は内心で驚いた。
 うそ……もう……?
 深いくちづけだけで、体は淫らに濡れていく。
 角度を変えて何度も互いの唇を貪り、濡れた舌を絡め合わせる。
 敏感な粘膜を擦り合わせる快感が、ずくんと体の中心を疼かせた。
 やがて唇が離れると、ふたりを銀糸がつなぐ。
「はっ……はぁ……」
 息を整える紗英に、悠司は艶めいた笑みを向けた。
「きみの舌は極上のベルベットみたいだ。ずっと触れていたくなる」
 ちゅ、と頬にキスを落とした悠司は、そのまま首筋から鎖骨にかけて唇を落としていった。
「あ……そんなこと、されたら……」
 これからシャワーを浴びるというのに、ここでこんなに感じてしまったら、どうなってしまうのだろう。
 微笑んだ悠司は、片手をショーツにかけた。
「このままここで抱いてしまいそうだな。とりあえずシャワーを浴びようか」
 ショーツを引き下ろされると、つう……と透明な糸が垂れる。
 かぁっと頬を染めた紗英は、狼狽した。
「あっ、あの、見ないで……恥ずかしい!」
 それなのに悠司は、まるで貴重なものを見たかのように、じっくりと見入っている。
「すごいな。キスだけでそんなに感じた?」
 うろうろと視線をさまよわせた紗英は、顔を真っ赤にしながら頷いた。
「か……感じました……」
「いいね。それだけ俺のキスがよかったってことだろう? すごく嬉しいよ」
 頬を緩めた悠司はショーツを足元から脱がせた。
 紗英を全裸にすると、彼は素早く自分の衣服を脱いで、カゴに放り込む。
 その間、紗英はシュシュで髪をまとめると、悠司に買ってもらったメイク落としを使って顔を洗う。
 タオルを渡してくれた悠司が、紗英のシュシュを指差した。
「そのシュシュ、使ってくれてるんだね」
「はい。お気に入りです」
 ピンク色のサテンのシュシュは、悠司からのプレゼントだ。
 紗英はこれをいつも腕につけて、必要なときに髪をまとめていた。
「ありがとう。俺も紗英からもらったハンカチを大切にしてるよ。もったいなくて使えないんだけどね」
 ぎゅっと抱きしめられて、悠司の強靱な肉体を意識する。
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