一途な御曹司の甘い溺愛~クズ男製造機なのでお付き合いできません!~
硬い筋肉に覆われた鎧のような体は、名匠が造形したごとく麗しい。
「ふふ。またプレゼントしますから、使ってください」
「もうなにもいらないよ。きみがいてくれるだけでいい」
彼と交わす言葉のひとつひとつが、紗英の胸をほろりと優しくほどいた。
悠司にそっと背を促されて、バスルームに入る。
清潔なバスルームは壁も床も、全面が煌めくスノーホワイトに包まれていた。
彼がシャワーのコックを捻ると、温かな湯がタイルを打つ。
スポンジを手にした悠司は、とろりとルビー色のシャワージェルを垂らす。それを泡立てると、バスルームに芳醇な花の香りが広がった。
紗英の腰を抱いて、悠司は嬉しそうにスポンジを掲げる。
「さあ、体を洗ってあげるから、じっとしていて」
「お、お願いします」
首筋から肩、腕、そして胸元へと、柔らかいスポンジが辿っていく。泡がふわふわしていて、ちょっとくすぐったいけれど、気持ちいい。
丹念に洗われて、紗英の全身が泡まみれになる。
「さて、流すか」
「あっ、待って。私も悠司さんの体を洗ってあげます」
悠司がシャワーに手をかけそうになったので、慌てて引き止める。
紗英もしてもらった分を、同じように悠司に返したかった。
「そう? じゃあ、頼むけど、俺は簡単に擦るだけでいいよ。……早くきみの中に入りたいから」
煽るようなことを囁かれ、紗英の頬が朱に染まる。
スポンジを受け取った紗英は、丁寧に悠司の体を擦り、泡立てた。強靱な肉体はどこもかしこも硬くて、まるで鋼のようだ。柔らかい自分の体とはまったく違う。
やがて互いの体を洗うと、悠司はシャワーを丁寧に紗英の体にかけて、泡を洗い流す。それから彼は自分の体も素早く洗い流した。
シャワーを終えると、ふたりはバスルームを出る。
悠司はバスタオルを手にすると、悪戯めいた目を向けた。
「俺が紗英を拭いてあげるから、きみは化粧水をつけていていいよ」
「え、そうですか? それじゃあ……」
素早く自分の体を拭いて、バスタオルを腰に巻きつけた悠司は、もう一枚を広げて紗英の肩にふわりとかける。
紗英は化粧台を向くと、シュシュを外して置いた。ところがパッケージを開けて化粧水を顔につけていると、後ろから悠司の手が胸に回ってくる。
「あっ、ちょっと、悠司さんってば」
焦った紗英だが、化粧水をつけているので手が空いていない。
悠司はバスタオルで拭くふりをして、乳房を揺すった。
慌てて化粧水を塗り終えた紗英は、イタズラな悠司の手を、ぎゅっと握りしめる。
「もう! 油断も隙もないんだから」
「きみにいつでもさわりたいんだ。今度はちゃんと拭くよ」
本気で怒っているわけではない。その証拠に紗英の声は弾んでいた。悠司とこうして戯れるのは心が躍る。
紗英の体を丁寧に拭いた悠司は、バスタオルに包むと、横抱きにした。
ふわりと抱き上げられ、紗英は慌てて逞しい首にしがみつく。
廊下を渡って寝室に辿り着き、キングサイズのベッドに下ろされる。
淡く照明が灯る室内は、純白のシーツが薄闇の中に浮かび上がっていた。ベッドとチェアがあるだけの、シンプルな部屋だ。紫紺の重厚なカーテンが閉められているので、外の景色は見えない。それがまるで彼の檻に閉じ込められているかのような感覚がして、紗英はどきりと胸を弾ませた。
シーツに背中がついて、ほっとしたのも束の間。
すぐに悠司が覆い被さってきた。強靱な肉体で、紗英の体はすっぽりと覆われる。
彼はまだしっとりと濡れた唇に、チュと軽く接吻する。
「シャワーを浴びたから、もう気持ちが冷めたんじゃないか?」
「ん……そんなことないです。どきどきしてるもの」
大きな手が心臓のある左胸に当てられる。
鼓動はこれからの情事に期待して、どきどきと早鐘のごとく脈打っていた。
それを確かめて微笑んだ悠司は、また唇に吸いつく。
「ホントだ。すごいね」
「悠司さんも……?」
「もちろん俺も、どきどきしてるよ。さわってみて」
剛健な胸板の左側に触れると、確かに鼓動は速かった。彼も緊張と期待を入り混じらせているのだ。
「すごい……一緒ですね」
「だろ? ふたりで気持ちよくなろう。まずはきみの体をとろとろに蕩かさないとな」
彼の濃密な愛撫に包まれて、甘い快感が湧く。唇からは陶然とした吐息が零れた。
甘美な痺れが全身に走り、甘い官能に脳髄が蕩けていく。
鼓膜まで欲情の滾りを吹き込まれて、紗英は愛欲の沼に溺れる。
彼との未来があることを心身ともに感じた紗英は、ぎゅっと強靱な背に抱きついた。
しばらく抱き合っていたふたりは、息を整える。甘い呼気が絡まっていた。
達した余韻に浸るこの時間が、体の気怠さとともに、心が充実するのを感じた。
ややあって顔を上げた悠司が、紗英の乱れた前髪をかき分ける。
「好きだよ」
「ふふ。またプレゼントしますから、使ってください」
「もうなにもいらないよ。きみがいてくれるだけでいい」
彼と交わす言葉のひとつひとつが、紗英の胸をほろりと優しくほどいた。
悠司にそっと背を促されて、バスルームに入る。
清潔なバスルームは壁も床も、全面が煌めくスノーホワイトに包まれていた。
彼がシャワーのコックを捻ると、温かな湯がタイルを打つ。
スポンジを手にした悠司は、とろりとルビー色のシャワージェルを垂らす。それを泡立てると、バスルームに芳醇な花の香りが広がった。
紗英の腰を抱いて、悠司は嬉しそうにスポンジを掲げる。
「さあ、体を洗ってあげるから、じっとしていて」
「お、お願いします」
首筋から肩、腕、そして胸元へと、柔らかいスポンジが辿っていく。泡がふわふわしていて、ちょっとくすぐったいけれど、気持ちいい。
丹念に洗われて、紗英の全身が泡まみれになる。
「さて、流すか」
「あっ、待って。私も悠司さんの体を洗ってあげます」
悠司がシャワーに手をかけそうになったので、慌てて引き止める。
紗英もしてもらった分を、同じように悠司に返したかった。
「そう? じゃあ、頼むけど、俺は簡単に擦るだけでいいよ。……早くきみの中に入りたいから」
煽るようなことを囁かれ、紗英の頬が朱に染まる。
スポンジを受け取った紗英は、丁寧に悠司の体を擦り、泡立てた。強靱な肉体はどこもかしこも硬くて、まるで鋼のようだ。柔らかい自分の体とはまったく違う。
やがて互いの体を洗うと、悠司はシャワーを丁寧に紗英の体にかけて、泡を洗い流す。それから彼は自分の体も素早く洗い流した。
シャワーを終えると、ふたりはバスルームを出る。
悠司はバスタオルを手にすると、悪戯めいた目を向けた。
「俺が紗英を拭いてあげるから、きみは化粧水をつけていていいよ」
「え、そうですか? それじゃあ……」
素早く自分の体を拭いて、バスタオルを腰に巻きつけた悠司は、もう一枚を広げて紗英の肩にふわりとかける。
紗英は化粧台を向くと、シュシュを外して置いた。ところがパッケージを開けて化粧水を顔につけていると、後ろから悠司の手が胸に回ってくる。
「あっ、ちょっと、悠司さんってば」
焦った紗英だが、化粧水をつけているので手が空いていない。
悠司はバスタオルで拭くふりをして、乳房を揺すった。
慌てて化粧水を塗り終えた紗英は、イタズラな悠司の手を、ぎゅっと握りしめる。
「もう! 油断も隙もないんだから」
「きみにいつでもさわりたいんだ。今度はちゃんと拭くよ」
本気で怒っているわけではない。その証拠に紗英の声は弾んでいた。悠司とこうして戯れるのは心が躍る。
紗英の体を丁寧に拭いた悠司は、バスタオルに包むと、横抱きにした。
ふわりと抱き上げられ、紗英は慌てて逞しい首にしがみつく。
廊下を渡って寝室に辿り着き、キングサイズのベッドに下ろされる。
淡く照明が灯る室内は、純白のシーツが薄闇の中に浮かび上がっていた。ベッドとチェアがあるだけの、シンプルな部屋だ。紫紺の重厚なカーテンが閉められているので、外の景色は見えない。それがまるで彼の檻に閉じ込められているかのような感覚がして、紗英はどきりと胸を弾ませた。
シーツに背中がついて、ほっとしたのも束の間。
すぐに悠司が覆い被さってきた。強靱な肉体で、紗英の体はすっぽりと覆われる。
彼はまだしっとりと濡れた唇に、チュと軽く接吻する。
「シャワーを浴びたから、もう気持ちが冷めたんじゃないか?」
「ん……そんなことないです。どきどきしてるもの」
大きな手が心臓のある左胸に当てられる。
鼓動はこれからの情事に期待して、どきどきと早鐘のごとく脈打っていた。
それを確かめて微笑んだ悠司は、また唇に吸いつく。
「ホントだ。すごいね」
「悠司さんも……?」
「もちろん俺も、どきどきしてるよ。さわってみて」
剛健な胸板の左側に触れると、確かに鼓動は速かった。彼も緊張と期待を入り混じらせているのだ。
「すごい……一緒ですね」
「だろ? ふたりで気持ちよくなろう。まずはきみの体をとろとろに蕩かさないとな」
彼の濃密な愛撫に包まれて、甘い快感が湧く。唇からは陶然とした吐息が零れた。
甘美な痺れが全身に走り、甘い官能に脳髄が蕩けていく。
鼓膜まで欲情の滾りを吹き込まれて、紗英は愛欲の沼に溺れる。
彼との未来があることを心身ともに感じた紗英は、ぎゅっと強靱な背に抱きついた。
しばらく抱き合っていたふたりは、息を整える。甘い呼気が絡まっていた。
達した余韻に浸るこの時間が、体の気怠さとともに、心が充実するのを感じた。
ややあって顔を上げた悠司が、紗英の乱れた前髪をかき分ける。
「好きだよ」