千秋先生は極甘彼氏。
千秋先生を会議室に案内してお茶の準備をする。千秋先生を出迎える前に獅々原さんにも声をかけていたおかげで、先に獅々原さんが会議室に向かう姿が見えた。他にもいつものメンバーがぞろぞろと会議室に向かっている。私はお茶を準備すると少し遅れて会議室に入った。
「本日の衛生委員会の議題ですが、まずストレスチェックの実施について」
ストレスチェックは産業医の選任と同様、常時50人以上使用している従業員のいる事業所には年に一度実施するよう法律で義務付けられていた。
弊社では昨年まで国が出している無料ツールを使用していたけど、今後従業員のストレス状態の効果測定をするのなら詳細に分析できるツールを使用した方がいいとのことで千秋先生から相談があった。
これまできちんとしてこなかったせいでそれを使用することでどんなメリットがあり、どんな効果が期待できるのか分かっていない。今日はその話を千秋先生直々にお話ししてくれた。
「それじゃあ、福原さんは宇多川さんにアポとってくれる?あとA社とB社にも」
「承知しました」
千秋先生が紹介してくれた推奨ツールのひとつに宇多川さんの会社があった。宇多川さんの会社ではいろんなサービスが展開されており、色々とお世話になっているしそれなら宇多川さんの会社でいいんじゃない?という話まで出た。
ただ、うちに合うかどうかはわからないのできちんと担当者から話を聞くことが望ましいと千秋先生から釘を刺された。確かにそうですよね、と満場一致だ。私はメモにタスクを書き込んだ。
千秋先生の訪問が終わりエレベーターホールまでお見送りをする。初めこそ獅々原さんも着いてきていたけど最近は私ひとりだ。
特に三月は期末ということもあり、獅々原さん含め役職のある人々はとても忙しい。その場で解散という流れで千秋先生もそれでいいと仰ってくれていた。
だけど私はそれをしなかった。
たとえ業務連絡でもメールが来れば嬉しいし、電話をするときは緊張する。でもやっぱり少しでも話たいし関わりたい。だから正直ラッキーだと思っている。そうじゃないとふたりきりでお話しなんてできないから。