千秋先生は極甘彼氏。
寝室の扉を開けて荷物を置いた柾哉さんに背伸びをして抱きついた。キスをねだって唇を押しつける。彼は簡単に私を抱き上げると数歩先にあるベッドに私を下ろした。
「いっぱいぎゅってして」
もうさっきから欲望が止まらない。甘えるように両手を伸ばせば柾哉さんが「はいはい」と笑いながら服を脱がせてくれた。
本当は抱きしめて欲しかったのに、と頬を膨らませる。
「…ちがう。ぎゅっとしてほしかった」
頭からすっぽりとTシャツを脱がされてボサボサになった髪を整えた。恨みがましく見上げても柾哉さんは肩をすくめるだけ。全然悪びれた様子はない。
「どうせ脱がすし」
「この間までのムードは?」
「今夜はそういう気分じゃない。それは果穂もじゃない?」
早く欲しくない?と聞かれて渋々頷いた。
悔しいけれど柾哉さん不足。
触れたくて抱きしめて欲しくて仕方ない。
昨日からずっと抱きつきたくて堪らなかった。だから今はそんなイケズな彼に反抗するように抱きついてやるんだ。
「果穂、脱がせないんだけど」
「いいの」
「小悪魔め」
柾哉さんが私を脚の上に座らせた。彼の腰を両膝ではさみ腕を首に巻き付ける。
唇が舌が飴を転がすように肌を滑っていく。キャミソールの下から手が潜り込んできて地肌を撫でた。角度を変えて唇が重なる。食べるようにキスを繰り返していると背中のホックが緩む。キャミソールを捲り上げられて乳房が露わになった。片方が彼の手に包まれてもう片方に柾哉さんが吸い付いた。
「…っ、ぁ、」
ふにふにと優しく揉みしだかれて甘く嬲られる。
中途半端に脱げかけたキャミソールを煩わしく思っていると彼がそれを取っ払ってくれた。
「柾哉さん…っ」
押し倒される間際、ゴムのスカートがスルリと脱がされる。
あっという間にパンツ一枚になった私を彼は楽しそうに見下ろした。