千秋先生は極甘彼氏。
ザバーと湯船が揺れて身体が持ち上がった。それでも私たちのキスは続いている。濡れた瞳が落ち着いた欲望を掻き立てる。私のお腹に押しつけられたそれをそっと握りしめた。
「俺は果穂にしかこんなにならない」
だめ、とやんわりと手を解かれて浴室を出るように促される。脱衣所のバスマットの上で振り返って背伸びをするとタオルを持ったままの彼が返事をするようにキスをくれた。
「もっとシて?」
「先に身体拭いてから」
「私も拭いてあげる」
貸して、とバスタオルを受け取って彼の身体を拭いていく。背が高い彼はきっと辛いだろうに私に合わせて膝を曲げてしゃがんでくれた。
「気持ち悪いところないですか?」
「うん」
「じゃあ」
裸の胸を彼の背中に押し付けて後ろからハグをする。
「果穂」
「柾哉さんの好きなおっぱい攻撃」
「それは語弊がある。おっぱいが好きなんじゃなくて果穂が好きなだけ」
柾哉さんは呆れたように笑いながら私に彼のロンティーを被せると自分はテキパキとパジャマを着た。
せっかく買った可愛いパジャマはしばらく柾哉さん家のクローゼットの中で出番がない。なぜなら彼の「学会を頑張ったご褒美」が彼のパジャマのTシャツを着る(ズボンなし)ことだったから。そしてなぜか一回限りじゃなくエンドレスだ。
「こんな性癖全開の格好をさせたいのも果穂だけだよ」
180センチの彼が着るTシャツはちょうど膝上10センチ丈のワンピースだった。裸の上から白のロンティーってとてもいやらしくてエッチだ。鏡を見れば首元は柾哉さんに取ってそれほど開きはなくとも私が着ると適度に開いて見える。ゆるっとしているけれど、真っ直ぐ立つと胸の先端がどこかわかるし横になれば足下が心もとない。
「変態だよね」
朝はたいていティーシャツを捲られて下半身も胸も愛撫されてずぐずぐになったところに柾哉さんがおし挿ってくる寝ぼけたままのエッチが実はとても気持ちいい。それを言いたいけど今はまだ我慢している。だって何かあった時に秘密兵器にしたいから。
「果穂に言われたくないけど」
「柾哉さんに変態にされました」
「人聞き悪いな、それ」
くすくすと笑って手を繋いで寝室に向かう。
広げられて腕の中に飛び込むと好きな人の香りに包まれて目を閉じた。