BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
「ここになんか用なの?」
「迷ってるなら案内してあげよっかー?」
ニヤニヤと悪い笑みを浮かべる男たち。
「やめて……っ」
どんなに抵抗したって彼らに響くはずもなく。
その手は緩むことはない。
「あの……っ、」
前から来た男子生徒にすがるように助けを求めても。
彼はチラリと目を注いだだけで、何も見えなかったかのように歩いて行ってしまう。
……そうか。
ここはそういうことろだった。
無法地帯の情報科だから。
私がここに来ていることは凌士以外誰も知らないわけで。
祈ったって助けが来るわけもなく、抵抗したところで3人の男にかなうわけない。
「ここでいんじゃね?」
「今なら誰もいないだろ」
「特進の女とか、ラッキーすぎるな」