BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
はぁっ……。
これで本当に助かったんだと、大きく息を吐くと。
「北校舎はこっちだ」
私の目の前に伸ばされた手。
「え」
涙目で見上げると、嵐が私に向かって手を伸ばしていて。
これは、つかまれってこと……?
「ん」
どうしていいからわからず躊躇してると、再度振り下ろされる手。
恐る恐る手を伸ばすと、嵐の方から私の手をつかんで引っ張りあげた。
そのまま無言で私の手を引きながら向かったのは、私が進んでいた方向と逆。